ミスター味っ子 寺沢大介
ミスター味っ子激ウマセレクション 1 (プラチナコミックス)
- 作者: 寺沢大介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/03
- メディア: コミック
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しかし、食べ物の絵にかける情熱は素晴らしい。わりと小さめのコマにギュウギュウに圧縮して展開されている感のある物語の中で、ズバーっと歌舞伎の見得を切るかのように出てくる食べ物の大きな絵。湯気が立っててすごくうまそう。そう、このメリハリが数多くの欠点を補ってなお余りある長所となっているのである。「絵は下手だけどマンガはすげー面白い」タイプのマンガ。ヒロインが弱いとか他にも欠点はあるけど、作者が食べ物が大好きでウマイものを描きたいという思いはひしひしと伝わる。
このマンガの展開は、反復する日常というドラえもん・こち亀タイプなのか、インフレする対決というドラゴンボールタイプかどっちだろう。両方のいいところを持ってるマンガかなと思うが、微妙にこち亀タイプな気がする。「料理勝負」の構造はともすればインフレ構造になりがちだが、このマンガではバランスよく「美味しさ」が表現されているので色んな料理勝負がかなり長い間できている。一応「味将軍」とか敵はどんどん強くなっていくものの、あんまり強さの差は感じさせない。だって料理の種類が違うからさ。そういう点も長く続いた秘密の一つだろう。面白かった。美味しく頂きました。B+