ジパング 10、11巻 かわぐちかいじ

10巻、11巻はあれですね、いわゆる「ヒトラー暗殺編」です。歴史を変えるためにヒトラーを暗殺しなければならない。そしてその任務を負った人々とヒトラー側の人々の物語。かわぐちかいじは、複数の人間の「人間らしさ」を描くのがとてもうまい。沈黙の艦隊しかり、ジパングしかりである。マンガの中にも、多くの人間がいて、彼ら一人一人に生まれてきた歴史や物語がちゃんとある。それをかわぐちかいじはとてもうまく演出している。だからこそ、彼の描く物語は重く、熱いのである。さらに主人公に据えた「草加」は何を考えているのかわからない。何を考えているのかわからないというのは、マンガにおいてのブラックボックス的役割であり、それを解明していくことで物語が進行する事が多い。ジパング、まだまだ魅せてくれそうなことは間違いない。A