ウメ星デンカ 1、2巻(完結) 藤子・F・不二雄

スッパッパ! というわけで、ウメ星デンカでありあす。2巻で完結している物語ですが、F先生節はちゃんと要所要所に炸裂しております。ウメ星という遠い宇宙のどこかからやってきたデンカ様ご一行が地球の中村太郎君の家に居候しながら繰り広げるテンヤワンヤの騒動。デンカ達は、故郷ウメ星国家を再建できるのか……? というストーリー。
ドラえもんの原型ともなっているデンカの「道具」的なものや、21エモンにも出てきたゴンスケも出てくるのでありなかなかナイスな作品であります。人間の主人公キャラ「中村太郎」は名前の通り平凡な少年である。「野比のび太」というように名前からも想像できるような爆裂的な個性はもっていない。むしろ中村太郎とその家族+デンカ一家というわりと多人数キャラで物語が進行しているのであります。連載当時はあんまり人気がなくて1年ほどで終わったらしいんだけど、俺がこの作品をちゃんと読むのがはじめてだということもあってすごく面白く読めた。
ウメ星という「異文化」国家からやってきたデンカは様々なところで地球文化との文化衝突を起こす。さらに、元が王家の人間なのでエラそう(そこがコミカルな点でもある)。遠く離れた地球に来てもえばってしまうゆえのコミュニケーションの難しさ。良作。B+
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