銭 1巻 鈴木みそ

お金に関するあれこれを取材したマンガ。鈴木みそのマンガの情報量などについては前回マンガ雑感として書いたのだけど、やっぱこう、タイトルが「金」ではなく「銭」なところに生々しさがあるよね。ゼニですよ。「ゼニ」という言葉をツールとしてもってくるとナニワ金融道というすごいマンガが出てきますが、この鈴木みその「銭」は銭そのものをテーマとして扱っている。はじめの方がよりヒキが強め、というかこのマンガ(というか作者かな?)独自の銭勘定トークが入っているのだが、1巻の後半部分ではけっこう人情モノのスパイスも入ってる。アニメの銭勘定の話では「霊が出てくる」という設定を生かしたラストにホロリとするし、コンビニ編も最後はあったかいものがある。ただ「ここには何にどれぐらいのゼニが動いているのか」といった客観的な話なんじゃなくて、それをベースにした人間模様もあるのだ。なかなかに濃く、面白い。
再読的価値も含めてコストパフォーマンスも良いし。B+