エスパー魔美 文庫版1〜6巻(完結) 藤子・F・不二雄

ひょんなことからエスパーの才能を得た主人公、佐倉魔美が主人公のマンガである。曲がった事は大嫌いで、秀才だが体育はできない高畑くん、キツネのような造型の飼い犬コンポコ。画家のお父さん、新聞記者のお母さん。物語はパパ、魔美、高畑くん、コンポコが中心となって展開することが多い。高畑くんは本当にいい男で、なんとも魅力的な人間だなあとこの年になって読んでみて感心した。自分というものをちゃんとわかっていて、それでも理想の自分があって、努力は惜しまない。曲がった事が嫌いなので、時には損することもケガすることもあるけれど、その信念は曲げない。いやいや、いい男ですよ。

エスパー魔美も連作短編である。連作短編形式で最終的には続き物になっており、魔美も、高畑くんも心の成長をしていくのがイキイキと描かれていてほんと藤子先生すごい。毎回の話の舞台設定がものすごく丁寧で、そのあたりはSF短編と同じくらいやっぱすごいなと改めて認識。「面白くない話がない」というのがマジでスゴイと思います。うむう、天才。A-