ラヴァーズ・キス (1巻完結) 吉田秋生

恋愛に何かしら「ひけめ」のようなものを感じる何人かの男女の恋愛物語。舞台は鎌倉にある高校。人間関係を幅をとぐっと狭めて、舞台となっている高校の中の数人の男女がそれぞれ密接に絡み合う構成となっている。この構成はお見事だと思うしキャラ立ちもよく話もわかりやすい。手堅いけど手堅いだけじゃない話の展開は吉田さんのうまいなーと思うところだ。男性のセクシャリティをどう描くかっていうのでは色んなマンガがあるけど、吉田作品の「性」というのは生々しい部分も多々あってすごいなあと思う。読む価値ありです。ただ個人的な好みでいえば「櫻の園」のほうがしみじみ、さめざめと泣けるかも。俺はそっちのほうが弱かったわー。ラヴァーズ・キス。恋人のキス。いいですなあ。これ、もうちょっと話の風呂敷を大きくしてみても面白かったかもしんないね。うーむ。いや、これでもじゅうぶんいいんだけどね。イフの話として。B