獄門島マンガ祭り 90年代編

竹田さん(id:season)による90年代のベストマンガを決める催し(http://d.hatena.ne.jp/season/20040124#p1)。ぼやぼやしていたら投票に乗り遅れてしまい大変悲しい。なので個人的に5ポイント分考えてここに書いておくことにします。ちなみに投票結果はこちら(http://d.hatena.ne.jp/season/20040305#p1)。

id:hyon-hyoroさんが「ブッチュくん」に投票されていてめっちゃウケた。思い出したけど「ブッチュくんオール大百科」は歴史に残る藤子・F・不二雄リスペクト作品だと思うので藤子ファンたる僕としてはすごく感慨深かったです。ただ当時高校生だった僕はアレに1000円以上払うことに踏み切れず、とうとう購入はできなかったんだけど……。

■5作品各1ポイント
うしおととらおぼっちゃまくんドラゴンボールナニワ金融道、ここまでは考えたんだが残り1作が候補が多くて迷う。例えばドッジ弾平とバーコードファイター、どっちが面白かったのかと聞かれるとすごく迷うしなあ。まあ、思い入れというか熱中して読んでいたという点でやっぱ幽白かなあ。マサルさんも捨てがたいのだが……。グギギギ……。

あとで作品を選んだ理由とか書きます所存です。
うしおととら 1P
少年マンガの王道。王道・オブ・ザ・王道といっても過言ではない正統派少年マンガだと思う。このうしおととらの冒険譚、何度読み返したことだろうか。獣の槍に魅入られてしまったという、ある種の悲劇性もあり、女の子とのほのかな恋愛もあり、その女の子のサービスカットもあり、最後には悪を倒し、その悪ですら救済されるというハッピーエンドで締めくくる。藤田先生の「読者を楽しませよう」というエンターテイメント魂をひしひしと感じた。

おぼっちゃまくん 1P
ゴーマニズム宣言前の小林よしのりの怪作。コロコロで連載されていた当時、小学生だった僕はこのマンガの破壊力にやられた。なんというすさまじいパワーを持つマンガなんだ!? というインパクト。1ヶ月の小遣いが1500万円。貧ぼっちゃまの服はオモテだけ豪華(なんというわかりやすい貧乏エンターテイメント描写!!!!)連載の後半の時期になってくると、茶魔達を長編で動かす事もやっていたなーということを思い出し、よしりんのパワーにただただ圧倒された。絵が汚いということで一部の読者を逃がした部分はあるんだろうけども、この作品の絵が例えば一条ゆかりが描くなんてことになれば魅力は激減であろう。作品には、作品に相応しい絵があり、おぼっちゃまくんはそれの必要十分条件を満たしている。まあ、荒木飛呂彦の絵でおぼっちゃまくん描いてくれたらそれはそれで見たい気もするが。なんにせよ、おぼっちゃまくんは90年代児童マンガの巨峰だと思う。コロコロからは、バーコードバトラーを題材にした「バーコードファイター」というすさまじいマンガもあった。これも1P入れるか迷ったけど、まあおぼっちゃまくんで。

ドラゴンボール 1P
なんだかんだいってこれは外せない。90年代にマンガを読んで育った人間はほぼ全員、なんらかの形でこの作品を見知ったことがあるのではないだろうか。フリーザ編以降のストーリーの流れは、鳥山明の化け物のような天才的構成力でしか描き得ない物語になったと思う。後半の戦闘シーンばっかりになったときは、背景も白っぽくなってしまい、鳥山明の描くポップな世界がほとんど見られなくなってしまった。が、しかし、それでも面白いのだ、ドラゴンボールというマンガは。「死んでも生き返らせることができることを前提にした戦略構築」なんていう概念はすさまじすぎる。知名度や関連グッズ、アニメ、どれをとっても日本のマンガにおいてトップクラスである。ドラゴンボールが日本語そのままで読める国に生まれて、よかった。

ナニワ金融道 1P
中学生だった僕に、生きる厳しさとお金のシビアさをとことん生々しく教えてくれた作品。「連帯保証人にはなるな!!!!!」という教えを青木雄二から強く教えられた気がするなあ。みっちりと描き込みされた背景に、詰め込まれた法律情報。めちゃくちゃ密度の濃い全17巻である。借金には男も女も関係ない。キャンと言わせられたら土地の権利書はもって行かれるし、ソープに沈められる。いやー、金融の道って本当に修羅の道だな。僕は肉欲棒太郎というキャラが好きで、この人いったん落ちても不屈の闘志と努力と忍耐で、もう一度這い上がるんだよね。こういうのも見せてくれた青木雄二はものすごい漫画家だったと思う。合掌……。