シガテラ 1、2巻 古谷実

シガテラ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

シガテラ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

シガテラ(2) (ヤンマガKCスペシャル)

シガテラ(2) (ヤンマガKCスペシャル)

漫画好きな人が好きそうな漫画だなーという第一印象があったが、読み進めるにつれて、別にこれは万人向けだわ……という感想に変わってきた1作。面白い! 古谷実のこれまでの作品の系譜というか文脈を踏まえると、ものすごく成長した作家だなーと思った。稲中卓球部の頃から「明るさの中の暗さ・闇」というのがかなりちらほら見え隠れしていたわけだが、今作ではもうそれが生々しく演出されていて本当に怖い。
これまでのところ、いじめられッ子の主人公・荻野はバイクに魅力を感じ、免許を取得しようとする。教習所で会った女の子・南雲さんと相思相愛になっていくのだが……という話の展開になっている。そこだけとるとよくある普通のお話かいな、と思うがさにあらず。そこには妙な気持ち悪さ、生々しさ、居心地の悪さが確固として存在しているのだ。
それは一体何なのか。それは、教習所で免許を取得するほどにバイクには熱心になれず、南雲さん(あるいはそれに準ずる女性)に出会えなかったもう一人のいじめられッ子・高井の存在である。南雲さんという「救いの存在」に出会う事ができなかった高井は、やがて自らを荻野とは違う方向で変革しはじめる。南雲さんとであった荻野、出会えなかった高井。この対称関係を主軸に、お話が徐々に徐々に暗くなっていきそうな雰囲気のもと、2巻が終わる。あああ、続きが気になるー。B+