千年女優 DVD

千年女優 [DVD]

千年女優 [DVD]

こういう映画なんか好きだなあ。今まで観たことのないタイプ。

立花という男が、引退した大女優の藤原千代子の所に、ある「鍵」を持ってインタビューに訪れた。そのインタビューの内容はその鍵に関する思い出、彼女の人生と映画である。「思い出」のシーンは出演した映画のエピソードと混ざり合って物語を構成しており、なかなか凝ったつくりとなっていて見ごたえがあった。鍵の持ち主の男を追いかけ続ける人生は実に波乱万丈で、それがまた映画のシーンと重なって面白い。

登場人物の配置や性格が、映画の中身以外の現実の人生にも反映されており、巧妙。音楽のメリハリも効いててよいと思いました。しかし正直、ラストのセリフはなくてもよかったとも思うが、うーん。こういう「映画内映画」という、メタ作品モノというのはその作中に出てきた映画をすっげーみたくなるね。げんしけんで言うところのくじアンガラスの仮面で言うところのいろいろな作品、G戦場ヘヴンズドアで言うところの……ドラえもんで言うところの……と例を挙げればキリがないが、本作品中の千代子が演じた戦国時代や明治時代や大正、昭和の色んな作品も観てみたくなってしまったわー(そういう気分にさせる作品は往々にして面白いのである)。B+