ファインディング・ニモ
- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2004/06/18
- メディア: DVD
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主人公・ニモは片方のエラが小さい。それを父は「幸福のエラ」と呼んでいる。そして周囲のキャラクターたちも、それに注目したりからかったりしているシーンがあるが、結局はそれを受け入れる。これは、今の人間の世の中に置き換えてみると、主人公に手なり足なりにハンディキャップがあるということを周囲の人間が普通に受け入れるということである。それをさらりと描いてのけるピクサーのすごさに俺は震えた。魚の世界のほうが差別がないよ、というすごさ。ドラえもんでは、自然や動物との「平等」「共生」がよく映画で出てくるけど、「現実として存在するハンディキャップ、障害をきちんと理解して受け入れる」というテーマはなかなかない。また、障害児を主人公にすえた作品というのも、僕が今まで観た作品の中では皆無でありこのあたりピクサー超すっげーと思うと同時にアメリカのバリアフリー観を垣間見た思いだ。
日本ではジブリがかろうじてそれに似たことを描くのを試みていて、「もののけ姫」でのタタラ場(だったかな? あの鉄砲を使う女の人が治めている村)で、皮膚病か梅毒かになった男達が働いているシーンがあったが、それくらいかなあ。それとて「普通に受け入れる」ということでは描いておらず、異形の者として「存在を許されている者」として描かれていたにすぎない。この違いはやはりきわめて大きいだろう。
あとはもう直球ストレートのシナリオで、極上のCGで、楽しめばよいと思う。面白いなあ。このCGの海を観たらねーもうほんとすごいと思う。バカみたいにすげーすげーと誉めてるけどこれすごいんだからしょうがないじゃない! うだうだ言わずに観ろ!A