オリンピックとマンガ

オリンピックも前半戦はだいたい終了したかなあという具合ですね。あと約10日かーと思うと別段熱心に見ているわけでもないけれど、祭りの終わりの寂しさのような雰囲気を感じます。僕は卓球をやっていたので卓球には関心を持ってみていたのですが、福原愛選手はすごいなあと思いました。判断力とかセンスとかメンタルの強さとか、世界トップクラスだなという感じでした。いいとこで負けてしまったのが残念だけど、彼女に関しては将来も十分期待が持てるので楽しみです。あと、福原選手以外の選手の試合も見たかったのだけど、ほとんどの局で中継していなかったので残念。残念というかそれはそれでいかがなものかと思う。ただでさえ地味めの競技なので、一部のスター選手以外にもスポットを当てて欲しい。あとピストル射撃とかクレー射撃もひたすら地味なんだけど地味なりに見てて面白いものであるので、もうちょっとそれ関係で喋れる専門家とか呼んで競技を盛り上げて欲しい。

さてオリンピックといえば何か。オリンピックといえばマンガである。と強引に持ってくるのが当はてなである。ははは。オリンピックに関係したマンガはいろいろあるが、やはりメジャーなのは浦沢直樹の「YAWARA!」でしょうね。柔道少女、猪熊柔が、オリンピックで金メダルに輝くまでの長い長い物語です。アニメ化もされたし、谷亮子選手のニックネームにもなってしまってたので有名だと思う。当然のごとく面白いんだけど、いやー、今読んでもやっぱり面白いわ、わはは。「柔と柔道の関係」というものも作中ずっと演出されてきて、彼女は柔道が好きなのか嫌いなのか、どうなんだ!? というところも一つ見所です。祖父に無理やりさせられてきた柔道、父親を投げてしまったことにより父親は失踪してしまったという柔道、柔にとっての柔道とは、というテーマはマンガであるがしかし深いし、面白いドラマであります。あとほのかに、めちゃくちゃ鈍足ではあるが、スポーツ記者、松田さんとの恋愛も進んでいき、最後には……となるところもベタだけど面白い。オシャレで二枚目役だった風祭さんは、さやかお嬢様と結婚することになる(それも物語かなり後半で)。カナダ人柔道家、ジョディとの友情も見事。おりしもアテネオリンピックでは柔道が大躍進とも言えるメダル獲得をしていますが、柔道を題材にしたマンガを熱く読んでみるのもいいかもしれません。柔の道は、一日にしてならずぢゃ!(By猪熊滋悟郎)Yawara! (1) (小学館文庫)