機動戦士ガンダム THE ORIGIN  7巻 安彦良和

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(7) (角川コミックス・エース)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(7) (角川コミックス・エース)

ジャブロー編ですね。この巻ではリュウさん、ハモンさん、そしてマチルダさんがジャブローに散ります。ああ。俺はアムロに対してそんなに感情移入はしていないので、マチルダさんが死んでそこまで悲しいのかという点で若干疑問があるものの、各キキャラクターの行動の動機付けは非常にうまいもんだなあと感動した。リュウさんはガンダムを助けるために、まさに一瞬の選択として敵(ハモンさん)に特攻していったわけであり、その特攻されたハモンさんは夫ランバ・ラルの敵を討つためにガンダムに特攻していった。マチルダさんもガンダムを助けるためにドムに特攻。死に際がすごかったのはリュウさんで、戦場において一瞬で決めなければならない選択というのは、「自分が助かるか、味方を助けるために死ぬか」という選択であり、リュウさんは後者を選んだ。その理由は単に人情だけではなく、アムロ及びガンダムが連邦にとっていかに重要なMS(モビルスーツ)であったか(少なくともリュウの乗るコア・ファイターよりは重要であったということをリュウ自身もわかってたのであろう)、というを読者に強く印象付けるものであったと思う。そしてマチルダさんの補給哲学もまた、熱い。彼女もガンダムを助けるために敵に特攻して死ぬわけだが、その行動の動機は彼女の補給哲学に基づくものである。いやあ、安彦良和はとんでもない作品を描いているなあ。その画力に脱帽しつつ、熱く読むべし! A-