視聴率と新選組!
21日の朝日新聞の朝刊に、クローズアップNHKという連載記事が載っていて、「新選組!」に関する内容が少しあった。なんでも、「新選組!」の視聴率は
11月に調べた13〜19歳の視聴率が男女とも10%前後を記録し、過去7年の大河ドラマの中で最高だったからだ。
とここと。ああ、そういう見方もあるのかーと感心した。記事の続きには、これまでNHKの放送は、若者離れが非常に強く危機感を持っていたことなどが書かれていた。なるほど、若者離れを少しでもなんとかする、という観点から見れば多分今年の大河ドラマは成功だったのだろう。これまでのここ何年かの大河ドラマは若手俳優や人気女優を起用し、若者層の興味を引こうとしてきたがかなり失敗してきたようだった。原因は色々あると思うが、去年の武蔵などのように脚本がイケてないとか、歴史というテーマ自体が若年層の興味を引かないというものがあるように思う。
そんな中、今年の「新選組!」は若者層の支持をかなり受けていたらしい。キャスティングに関して天才的な才能を持つ三谷幸喜の起用による今回のキャストは、中年以上の世代の支持はともかく、若年層にはウケた。脚本も「重厚」という言葉とはほど遠い、ある種軽妙ですらある脚本だったがそれも概ね若年層の支持はあった。
若者離れがなぜ困るかというと、年寄りはそのうち死ぬからなんだろうなあ。若者がみてくれる番組を作らねば、これからのNHK放送、ひいては長期的には若者から(もしくは若者だった人から)受信料が取れない状況が考えられるわけで。若い人にNHKの放送に興味を持ってもらうことが、昨今のNHKの課題であり目標だったのだろう。そういう意味では平均視聴率は必ずしも高くなかった「新選組!」だが目的は達した、というところだろうか。個人的には三谷脚本のドラマが1年間も観ることができた、ということで僕は堪能させてもらって満足であります。