阿修羅ガール 舞城王太郎

阿修羅ガール

阿修羅ガール

舞城作品を読むのはこれがはじめて。ニュー文学ですか! すごいなーこれは。まずはとことんフラットな文体というか超軽妙な文体というか現代日本のウェブ社会の横書きスピーディー文体というか、そんな印象。ザクザク読めるし、疾走感がすごい。ライトでポップといえばいいのか、言い方がよくわからないけど活字小説でここまで疾走感溢れる感覚ははじめてだ。カルチャーショックというわけではないけど、斬新。で、突然フォントいじりだしな。ちゃんと必然性も効果もあるからこれも斬新でうまいことやってるなあと思った。
どんな内容か全然知らなかったんだけど、なんというか、ミステリーの管轄になるんだろうかなこれは? 殺人事件とか、猟奇的犯罪とか、オカルトとかが一緒くたになってギュンギュン錯綜する。「す、すげー」としか言いようがない。「森」編の殺人描写が僕にはかなりエグくて、そこは読むのが辛かったしそのせいで全体通じての最後の読後感も良くなかったけど、「今まで全く見たことがない世界をオラオラと提示して見せてくれた」というその一点だけでもものすごく価値があるように思った。舞城スゲー。B+