山の音 とり・みき
- 作者: とりみき
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/07
- メディア: 文庫
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この「山の音」、なかなかにミステリーです。とり・みきといえばギャグというイメージが非常に強いんですけども、これを読むとそうだーもともとはSFだったんだな、そうだそうだ、と思い返します。物語は突然消息を断った恋人の行方を追っていくうちに、巨人伝説と信仰にまつわる謎が絡んできて……というものです。巨人というのはそのまんま「大きな人」です。人類における「巨人」の伝説は色々とあったようで、この物語もそういう巨人伝説をモチーフにして描かれています。じっとりと手に汗握る面白さがあります。もちろん、他の短編も「謎とSF」的なニュアンスを保ちつつ、手堅く物語っています。ちくま文庫は渋いところついてるなあ。B