ターミナル トム・ハンクス主演

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祖国が内乱によって「消失」してしまい、アメリカまで来たもののパスポートが無効になり、アメリカに「入国」ができない……つまり空港から出られない、という男(ビクター・ナボルスキー)の物語。やあ、面白かったです。こういう「IF」的なシチュエーションに対するリアリティのある設定、構成で、監督はスピルバーグ、演じるのはトム・ハンクスというのは非常に手堅い。空港側の入国手続きをする人間はナボルスキーのことを「法の隙間に落ちた人間」だと言う。本当に意外なところにこういう「隙間」はあるもんだなあ。
空港から出られず、お金も無くなったナボルスキーが日々の食費等を稼ぐために編み出した「小銭を稼ぐ方法」はユニークでユーモラスだ。ネタバレになるんで詳しくは書きませんが「●●を●●に●●する」という方法。こういう地味でありそうな作業+小銭稼ぎ、というネタが大好きな僕にとっては堪らないものがあった。そして彼の誠実な生き方、態度に共感する空港の人々。はじめは冷たかった人も、やがて心を開いていく。手堅い! 手堅く面白い! それから、ナボルスキーとスチュワーデスのビターな恋愛。アメリカ人は「普通にキスをする」というのがすげーうまいなーと思った。まあそれはいいか。そして祖国の内乱は終わり、新たな国が興る。その時彼のとった行動とは……という具合で物語は進む。ほんと手堅く楽しめた。えーですなー。B+