北村龍平監督の、ものすごくいい意味での「荒削り」な作品。とにかく映像的爽快感に浸れるものだった。1分に1回はバトルシーンのカッコイイ見せ場があって、ストーリーはややわかりにくく退屈なものなのだが、最後まで飽きない。バトルシーンのカメラワーク、SE、演出はバッチリ決まっていて、「おおおおお〜」という爽快感がある。
マトリックスが好きな人、大げさな香港映画が好きな人にはたまらないものがあるのではないだろうか。音としては、拳銃を扱うときの音や、刀で対決するときの音がいい感じで響いて痺れる。ストーリーがどうとか、人間の内面がどうとか、そういう楽しみ方よりも、「日本最高峰であろう格闘アクションシーンの連続」を堪能するのが気持ちいいと思う。ヒロインがものすごく華がないんだけど、まあそこも気にするまい。ぐるぐる回るショットや、刀の擦れ合う音、パンチやキックが風を切る音、しばしば出てくるグロテスクなシーン(顔面が吹っ飛ばされたり、眼球が指に絡みついたり)のエグさ、そのあたり全てが「かっちょいーアクション!」に繋がっていく。爽快なガン&
ブレイド&格闘アクション。これでストーリーが、もうちょっとケレンミのあるヒキがあったらなあーと惜しく思う。B