いちご100%完結

週刊少年ジャンプ35号にて、いちご100%が完結した。
連載スタート時からなんだかんだ言ってずっと読んでいたので、なかなか感慨深い。右往左往というかやや迷走していた時期もあり、伏線の回収も全部出来たとは言いがたいが(天地のその後など)、終わってみればまずまずの良作だったのではないかと思う。ただ、幾つかの選択を別の方向に持っていくことが出来ていれば、あるいは「めぞん一刻」に匹敵する恋愛物語として大傑作になっていたかもしれない「if」を思うと少し残念でもある。西野と東城、北大路のトリプルヒロイン構成は大味ではあったが分かりやすく魅力的でもあった。

北大路→真中←→東城・西野 というこの構成でなおかつ北大路・東城・真中が同じ学校に在籍しているという設定は展開が難しいだろうなあとは思う。第1話のエピソードからすれば、本命は東城になるはずであった。しかし、真中は東城を選ばず、西野を選んだ。そのプロセスではなるほど西野を選ぶということにはある程度の必然性はあるものの、やはりまだ違和感が残る。……かといって、中盤以降のあの流れから、西野から東城にシフトチェンジするのは難しかろうなあとも思うのだが。なにしろ、西野が「いい女」過ぎるのだ。高校生でこんなできた子いないわいな、と思うほどだ(まあマンガだが)。西野と別れて東城を選ぶほどに西野は悪い女ではなく、東城も西野を越えるほどに魅力的ではなかった、ということだ。もっとも、人生は予想したパターン通りにはいかないものだし、それはそれでリアリティのある選択だったろうとは思う。この絶妙な選択肢の積み重ねが、本命からずれたヒロインを選ぶという結末を迎えた珍しい作品だと思った。

僕はこのマンガ、登場人物の目がすごく好きだった。きらきらしていて、若さと愛情と情熱の輝きがある目をしている。連載開始時はそうでもなかったが、ここ1年くらい、いい目を描く作家さんだなーという印象が強かった。おぱんつや胸、お尻の表現も上手で、桂正和が少年ジャンプに描かなくなった後のお色気担当の役割は、よく果たしたのではないだろうか。
いちご100% 総合評価 B

いちご100% (1) (ジャンプ・コミックス)

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