エマ 3巻 森薫

エマ (3) (Beam comix)

エマ (3) (Beam comix)

汽車で乗り合わせたドロテア・メルダースの家で再びメイドとして働くことになったエマと、エマのことをふっきり、仕事の鬼、上流階級の鬼になろうとするウィリアム。メルダース家への就職から、1日の仕事振りなどこのあたり非常に楽しい。あるメイドの1日、として短編でもどんどん描けそうなくらいに広がり、奥行きがあって、貴族の家でメイドとして働く日常を垣間見ることができ楽しかった。メルダース家のスタッフはたくさんおり、新しいキャラクターを覚えるのも大変だけど、意味深で思わせぶりな新キャラもいて、この先がとても楽しみなものとなった。

そして最後のエピソード「ミセス・トロロープ」でドロテアのお付でミセス・トロロープ宅へ出かけたエマは、そこでこの物語の大きな鍵を握る人物の一人であろう、ミセス・トロローブと出会う。エマが帰ってからミセス・トロローブは最後のページで、ウィリアム・ジョーンズの母であることを示唆する発言をする。うわーもーめっちゃどきどきですよこれは! すごい! ウィリアムの母が家にいないということは1巻からそれとなく暗示されていたことだし、いつかストーリーに絡むのかなと思っていたら、ここでこういうタイミイングで出すとは! 続きが気になる3巻であった。B+