御法度 DVD 大島渚監督 出演 ビートたけし・松田龍平など

御法度 [DVD]

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体調を崩していた大島 渚13年ぶりの復帰第1作。司馬遼太郎の短編をもとに、幕末の京都を舞台に、かの新選組を男色の視点から描いた異色時代劇だ。新選組に美少年剣士、加納惣三郎が入隊してきた。隊士たちは彼の美貌に惹かれて、隊内の雰囲気がおかしくなってくる。組織を揺るがす男色はまさしく御法度であった。
加納役は故松田優作の長男、松田龍平であり、彼の美少年ぶりは際立っているが、加納に惚れる隊士に浅野忠信、加納が憧れる沖田総司武田真治と、彼を取りまく美貌の剣士たちが、松田をしっかり支えている。また、土方歳三ビートたけしをはじめ、近藤勇崔洋一、隊士のトミーズ雅坂上二郎など異色の配役ながら、新撰組隊士らしい骨太の面構えが並んでいるのも、この映画の見どころの1つだ。(堤 昌司)

うーん、大河ドラマの方とはかなり雰囲気が違うけど(当たり前)、なかなか面白かったです。原作となった司馬遼太郎の短編も以前読んでいたし、当時の新選組の男色状態にも物語的に興味のあったところ。キャスティングが渋いなあ。
加納惣三郎:松田龍平
土方歳三ビートたけし
沖田総司武田真治
加納に惚れるもう一人の男(名前失念):浅野忠信
近藤勇崔洋一
山崎蒸:トミーズ雅
井上源三郎坂上二郎
個人的には美少年レベルでは、武田>松田、なんだけどもな。ビートたけしの土方もちょっと年とりすぎている感がなきにしもあらずだが……。武田の沖田、トミーズ雅の山崎蒸はかなりハマっていた。武田の静かな佇まいと緊張感、トミーズ雅の無骨さがぴったりだと思う。坂上二郎の井上先生も良かったなあ。雰囲気が暖かい。
ストーリーは加納の加入により男色的に混沌としていく新選組内部と、それに対する土方、武田粛清というもの。この映画、時代劇だけあって殺陣が凄く迫力があって良かった。刀の音というのがものすごく美しく、怖く響き渡り、スピード感も相当なものがあった。そして男色の何ともいえないムンとしたムード。不気味な生々しさがありました。途中の展開では、ビート土方がちょっとあれこれ思案したり口に出してしゃべることが多かったのが寡黙な土方イメージとは少し異なるなという気がしましたが、まあそこは解釈のレベルの話ですねえ。B+