逆説の日本史 1巻 井沢元彦

逆説の日本史1 古代黎明編(小学館文庫): 封印された[倭]の謎

逆説の日本史1 古代黎明編(小学館文庫): 封印された[倭]の謎

アマゾンより。

内容(「BOOK」データベースより)
教科書ではわからない日本史の空白部分に迫る。従来の歴史学界の権威主義、史料至上主義、呪術観の無視、以上の三大欠陥を指摘しながら古代史の謎を推理、解明していく。日本人の「わ」の精神のルーツは?宮内庁天皇陵の学術調査を拒み続けるのはなぜか?あの出雲大社オオクニヌシノミコトの怨霊を封印するために建てられた「霊魂の牢獄」ではなかったか?当時最高の知識人であった聖徳太子はなぜ、「和」こそが日本人の最高の原理としてあげたのか?など。
序論 日本の歴史学の三大欠陥
第1章 古代日本列島人編―日本はどうして「倭」と呼ばれたのか
第2章 大国主命編―「わ」の精神で解く出雲神話の"真実"
第3章 卑弥呼編―女王殺害と紀元二四八年の重大事件
第4章 神功皇后編―邪馬台国東遷説を裏付ける宇佐神宮の拝礼作法
第5章 天皇陵と朝鮮半島編―日本人のルーツと天皇家の起源

以上引用。目次だけでゾクゾクする。逆説の日本史シリーズ第1巻「古代黎明編―封印された「倭」の謎」である。このシリーズの本はなんか知らんけど順番バラバラで読んでしまっている。やっと1巻が読めた。井沢元彦のこのシリーズのコンセプト、一貫性のようなものがガッチリ見えたような気がする。この1巻では日本の歴史における宗教性、特に言霊思想と鎮魂の思想が入念に描かれている。罪人とされて死んだ者ほど、「現世を呪って」「タタリが起きないように」「魂を鎮めてもらうため」大きな神社に神として祭られる。これは神話から続く歴史や、出雲大社の謎のところで詳しく説明されていて、「なるほど!!!!」と思わずビックリマークが4個つくほど衝撃を受けて脳味噌の部分部分に分割されていた知識がズバズバっと一本筋が通った。最終章では天皇家の起源、ルーツに踏み込んで検討しておりこれも興味深かった。(一部の、と付くかどうかはわからんが)韓国の学者の歴史の見方を批判し「その事実は我々にとって不快だから認めない」という態度は駄目だと批判する。もっともである。知的に刺激的な1冊でした。あと、日本の学界批判が多々あって、それはその通りだなと思うし理解できるんだけど、ちょっと全編通じて何度も何度も繰り返し出て来すぎてて、そこはちょっともういいかなと思った。A-