さらば、わが青春の『少年ジャンプ』 西村繁男

内容(「BOOK」データベースより)
最高発行部数六百五十三万部。『少年ジャンプ』神話はいかにつくられ、崩れていったか。一九六八年、先行誌に九年遅れて十万五千部で創刊。誕生の経緯、苦肉の新人起用、漫画家との熱中時代、部数を伸ばし続けた快進撃と栄光の日々そして失速。三十年の歴史と人間模様を最も「ジャンプ」を愛した元編集長が描いた第一級の同時代ノンフィクション。

集英社に勤務していた作者によるノンフィクション集英社&少年ジャンプ史である。創刊から最高部数到達、そして記録が破られ神話が終焉するところまでをたっぷりと描いた物語である。少年ジャンプのシステムの歴史的系譜や、集英社内部の人事などがかなり細かく書かれていて、ジャンプとコロコロで育った自分は非常に興味深く読んだ。本宮ひろしとの出会いなども描かれていてなんだかもう青春群像劇的な要素もたっぷりある。少年ジャンプが大好きだった人にはぜひオススメである。古い名作からドラゴンボールまで、長いジャンプの歴史の中のヒット作についての言及もバリバリ出てきて、読んでいて楽しかった。最終章あたりは作者がジャンプの現場を離れて以降のジャンプのことが書かれており、寂しいような、悲しいような気分になった。週刊少年ジャンプは、もはやそれ自体が巨大な歴史なのであった。A