トップラン 第1話 ここが最前線 清涼院流水

トップラン〈第1話〉ここが最前線

トップラン〈第1話〉ここが最前線

内容(「BOOK」データベースより)
2000年1月1日。新しい千年紀と同時にハタチを迎えた音羽恋子の眼前に現れた「よろず鑑定師 貴船天使」と名乗る男は、札束を取り出して言った。「このテストに回答したら99万円あげるよ」。突如渡された33問のトップラン・テスト―回答者に値段をつけるための人間鑑定試験??奇妙な謎が謎を呼ぶ、書き下ろし文庫シリーズ第1話。

2000年2月に刊行された本。なんでも2ヶ月ごとに1巻のペースで、全6話で完結するらしい。リアルタイムで読むのが一番楽しいんだろうけど、あいにく今は2006年である。薄い本なのでサクサク、スラスラ読めた。ひょんなことから33問の心理テストを受けることになった主人公・恋子。第1話はこのテストを全て解いて、テストを受けさせた者と再び出会うところで終っている。「トップラン・テスト」「参加料は500円」「テストの結果、価値に応じて数億円もの金銭が支払われる」「マイナスの価値になった場合でも、こちらは最大1万円しか支払わなくてよい」「採点基準は明確にする」というルール。清涼院作品は、こういう「ルール」を使ったお遊びのような仕組みを使った作品がなかなか多い。「秘密室ボン」や「ユウ―日本国民全員参加テレビ新企画」など、一定のルールに基づいたゲーム感覚的な作品は印象に残っている。1巻は謎だらけの呈示のみで終ったので、続きを読みたい。サクっと読みやすく楽しんだ。B