100億稼ぐ仕事術 堀江貴文

この人のタスク処理については前からかなり興味を持っていた。どんな風に処理しているのか? 参考になるところがあるといいなと思い、読んでみた次第である。項目がくっきり分かれていて文章も読みやすく、1時間ちょっとで読めた。

結論から言うと、予想以上にシンプルであり、基本に忠実に、ということが印象深かった。なんら特殊なことはしていない。メールによる情報管理には工夫が見られるが、それとて「斬新」とか「思ってもみなかったコロンブスの卵」という類のものではない(ただ、日報メールを原価計算に使う、というのは非常に感心した)。本当に、基本を大事にしているのだなあということが分かったのは収穫であった。そしてその基本に対する集中力、実行力が並外れているのだと。あと、ちゃんとノミニケーションも推奨しているところが面白かったな。

「現在の制度において、利益を最大化するために何が必要か」という観点から逆算した結果、非常にシンプルかつ合理的である行為が、基本的なこと、だったのだろうと思う。会社は株主のものである、というゴールから出発して、そのための利益の最大化、そのためには稼がないといけない、そのためにはいい商品を作らないといけない、という「逆からの思考」がシンプルかつスピーディーだ。

基本、と簡単に言うのも良くないと思うので具体例を記す。例えば、といっても多面的なので色々メモ代わりに書いておくと、デキる営業マンと知り合え、名刺に工夫する、名刺をデジタル化する、社内でメーリングリストを多く作成して、情報の共有・透明化を図る、相見積もりをとって無駄なお金を使わない、メルマガをたくさん購読して多くの情報を得る、メールの処理は分類とフィルタ分け、ウィルス対策も忘れずに、読み方はキーボードのショートカット機能をうまく使おう、休むときはしっかり休む、徹夜はすすめない、などがある。逆に言うと、基本に忠実でない企業、というのが日本にはめちゃくちゃ多いのだろうなーと思った。マスコミで言われるようなキャラの印象とは全く異なる地に足着いた方法論は、一回転して実にためになる、という感じですなあ。添付ファイルはウィルスの可能性もあるからむやみに開くな、なんてビジネス書で口をすっぱくして書いてくれる社長はこの人くらいでしょう(堀江自身もI love youウィルスに感染したことがある、と告白している)。これらの地道な積み重ねが100億という売り上げなのだろう。

なお、メール処理については、「100億稼ぐ超メール術」を今度読もうと思っているところであります。1日5000通というのは、大半の迷惑メールをスパムフィルタで処理しているので、メールを読んで実際に何かして処理している実数はもっと少なく見積もらなければならない。

時間を創り出し、思考時間を増やし、利益をあげる。これは仕事に限らず、勉強や一般的な生活にも十分応用できそうだ。なかなかにいい本です。A

追記
逆に言うと、というかこの本に足りていないところは、書かれているノウハウを実行、実現するためにはどうすればよいか? という、ある程度誰にでもできるようにするための「メンタル」の持って行き方が書かれていないところである。まあ、それは書かれていないのも当然なんだけどさ(合理的に考えたらそうしたほうがいいに決まってるから、というスタンスだからだろう)。しかしなんだかんだいってこの人は物凄い集中力と実行力を持っているのであって、だからこそこういう基本を全部出来たとも言えるし、世の中の大半の人はそういうメンタリティが無いんだからね(早寝早起きでさえ出来ていない人は、僕を含めて数多いだろう)。なので、ある意味メンタルトレーニング的なノウハウ本があと1冊フォローされていれば実用性はさらに増すだろうと思う。ただ読むだけでは単に「ホリエモンすげえな」で終わりかねない要素はあるし、そのあたりを意識しないといけないかもしれない。

こんな人にオススメかも
・色々と方法論に行き詰まりを感じている
・基本に立ち返りたい(年度末だしね)
堀江貴文という人間をもうちょっと詳しく知りたい