物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン 大塚英志

第1講 本当は誰にでも小説は書けるということ
第2講 とりあえず「盗作」してみよう
第3講 方程式でプロットがみるみる作れる
第4講 村上龍になりきって小説を書く
第5講 「行きて帰りし物語」に身を委ね「主題」の訪れを待つ
第6講 つげ義春をノベライズして、日本の近代文学史を追体験する

小説を書ける人と書けない人の違いは何なのか、を徹底的に追及して、なるべく多くの人に「物語を一通り書き終える」ことを目標に課題を設定し、検討する本。小説って、書ける人はホント書けてしまうんだよなあ。筆者は同人誌に向く能力と一般的な小説(二次創作ではない作品)を書く能力の違いを考察し、物語の舞台設定自体がうまい人と、あらかじめ設定された舞台でキャラクターを動かすことがうまい人、というタイプ分類をする。

いやあ、色々と参考になったなあ。小説ってそれこそピンキリだけど、ウェブでよく見かける小説もちゃんと「了」まで書いて終わってるんだよね、基本的には。で、小説を書きたいけど書けない人って、単発のアイデアやネタ、人物や舞台自体は考え付いても、それを終わりまで一通り書けないから「書けない」という人が多いんだろうと思う。この本はそういう人が「最後まで」書き終えるためには(質はともかく)どうすればよいかを検討し、課題を出してそれをやらせる。6つのレッスンを繰り返し行うことによって、物語を書く体操をし、物語を書くのだ。ある意味ものすごい実用書である。村上龍の小説の分析もすげーなと思った。小説を、物語を書くということに常に興味関心を持っている人は大いに読む価値ありそうです。A-