涼宮ハルヒの陰謀 谷川流 いとうのいぢ

涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ7冊目。長編だったので読むのにけっこう時間がかかってしまった。430ページあった。長編で、コアのストーリーがバシっと1本あって、その周辺にサブストーリーというか小さなエピソードをかっちり入れていて手堅い構成だったなあと思います。8日後から来た朝比奈さんと行動を共にするキョン。8日後に一体何があるのか。途中ちょっと展開の遅さにダレ気味になってしまったものの、ダレを抜けるとラストまで一気に読み進められる。

この巻はハルヒがあんまり出てこず、朝比奈さんがメインでした。キャラクターの造形については僕はつい西尾維新と比べてしまうんだけど、女の子の造形についてはやっぱり戯言シリーズの登場人物のほうがクッキリと印象に残ってキャラが立ってるなあと思ってしまう。朝比奈さん、長門さんの場合、かなり記号的・類型的というか。まあこのシリーズは、彼女らの変化・成長を読んで楽しむ作品でもあるので、ジワジワ変化していってくれたらいいんだろうなと思うんだけど。

終盤の急展開はなかなかスリリングだった。朝比奈さんが○○されてからの展開はジェットコースターだ。敵側の詳細は相変わらずまだよくわかんないけども、オチもあーなるほどなーときれいに決まって、読後感はなかなか良かった。B+