涼宮ハルヒの暴走 谷川流 いとうのいぢ
- アーティスト: 谷川 流 いとう のいぢ 角川書店
- 値段: ¥ 540
- はてな: asin:4044292051
の構成。
序章シリーズは、楽しげな高校生活、仲間との日常が描かれていて大変良い。「自分もこの世界に入りたい!」という欲求でワクワクさせてくれる描写がうまいなあーと感心する。僕はこういう世界設定がうまくて登場人物が魅力的で一緒に何かしたいと思わせてくれる作品が大好きなので、この作品も大好きだ。いーなー。たゆたう日常。
エンドレスエイト。終わらない8月、夏休み。趣向としてはうる星やつらのビューティフル・ドリーマーに通じるものがあるような気がする。自意識SF、というかなんというか。ラストの謎解きというかオチもなるほど納得のもの。キャラクターの設定を生かしたコンパクトにしてナイスな終わりで良かった。夏はイベント尽くしですなあ。自分も充実させたくなっちゃったよ。そしてそういう気持ちにさせる作品というのはホント大好きだ。
射手座の日。コンピューター研究会とのオンラインゲームバトル。長門さんの魅力炸裂ですなあ。キョンは長門さんのほうに恋すべき。イヤ、すべき、と僕に言われても困るだろうけどね。長門さんは大変良いです。僕にとっては淡々と成すべきことをする人というのは、性別関係なく好ましい魅力でもあります。このエピソードはハルヒは存在意義があんまり無いですなあ。むしろチームプレイが重要なオンラインゲームでこういう行動をするヤツはちょっとウザイですな。ううむ。キョンはええやっちゃなあ。
雪山症候群。雪山で遭難、謎の館に閉じ込められるというちょっと不条理系SF、だがその展開はなかなかどうして理詰めで説得力のある展開で面白かった。長門さんが熱で倒れるとはこりゃ大変だ。長門さんという万能キャラが欠けることで、各々の行動が極めて重要になる。ハルヒと長門さんが対立するようなエピソードが今後あると大変面白いと思うんだが、その場合キョンはどっちに味方するんだろうなあと想像してしまう。まあ厳密な感情でいうと「恋愛」とまで区分してしまうのは難しいかもしれない関係なので、そこが余計に面白い。B+