表現したい人のためのマンガ入門 しりあがり寿

内容(「BOOK」データベースより)
21世紀の自己表現法。自分をプロデュースしてみよう。まったく新しいマンガ入門書の登場。

シンプルな表紙の装丁がいいですね。
この本、マンガの描き方自体を細かく解説したものではまったくない。「表現労働で生きていく」ことに対するアプローチの方法、「表現」においてどこをどのように意識するか、ということがメインに書かれている。サラリーマン経験を持つ筆者の視点はなるほどとうなずける所が非常に多い。「売る」ということに対して極めて意識的であることが自己プロデュースをどのようにしていくかということにつながり、作品の作り方にまで反映されていく。ある意味「ここまで種明かししていいのかなあ」という新しさもあり、サービス精神があるなあと感心した。

そういう色々な方法論を、自分の人生を振り返りつつ書いているという点では「マイまんが道」な側面もあり、面白かった。なりたいと思っていたものに、あっさりなれたときのテンションとか、さらっと書いてるけどなんとも奥深い。

あと「自己プロデュース戦略」「表現労働で生きる/売る」という点に関しては、岡田斗司夫プチクリ!―好き=才能!」でもけっこう似た話をしていて、意識化すると着眼点も似るのかな、とちょっと思った。B+

プチクリ!―好き=才能!