見仏記4 親孝行篇 いとうせいこう みうらじゅん

出版社 / 著者からの内容紹介
大ヒットシリーズ第4弾!今度は見仏と親孝行を一緒にしてみました!
ひょんなことから始まった「いとう家プラスみうら」「みうら家プラスいとう」という、それぞれの両親を連れた「親見仏」の旅。それぞれの親子の不器用な愛情表現。いつしか見仏もそっちのけで、親孝行に思いを馳せ…

みうらじゅんいとうせいこうの2人が、日本全国にあるお寺に仏像を見に行く物語。今回はみうら両親といとう両親のペアが参加するエピソードもあり、これまでと違った感じで面白い。このシリーズ好きなんだよなあ、俺。みうら絵+いとう文章、で完成度は高いというか少なくともたっぷり楽しめるパワーがあるし、これまでになかったポップな仏像の楽しみ方を提示している面もあり、ほんと楽しい。

今回初参加のご両親のキャラも立ってて笑った笑った。いとうせいこうみうらじゅんの中年になっても「息子」であるという側面とか、なんともいえずニヤニヤしながら読めるものでありました。おかんに対するなんともいえない気恥ずかしさっていうのがね、これはもうすごくよくわかる。あるある。

それにしても、みうらじゅんの視点って非常に自分本位のユニークさがあってとても面白い。仏を芸能人に「見立て」る読解方法ってほんとヘンテコだけど異様な説得力がある。おそるべしマイブーム。「ビッグな外タレ、止利仏師」なんて表現は普通ありえない。外国から来た仏師を「外タレ」に見立てるという視点。これが自分にとっては新鮮で斬新だったので楽しく読めたのであった。

文章を書いているいとうせいこうの、みうらじゅんへの視線がまたいいんですよね。2人は見仏を介した人生の友である「仏友」なんですけども、ゆるい会話をしながら道中を行ったり見仏したりするシーンは、なんともいえずいいなあ〜と思ってしまいます。見物記1,2,3,4でこれは毛色が少し違うけどかなり好きだなあ。シリーズの好みランクでは1が1位、2,4が同率2位、4位が3かな。3は海外編なのでちょっと空間的遠さを感じたような気がするんだよなあ。B+