Marieの奏でる音楽 上 古屋兎丸

Marieの奏でる音楽 上 (1)

Marieの奏でる音楽 上 (1)

出版社/著者からの内容紹介
人々が皆穏やかに暮らす島ピリトの地で繰り広げられる崇高で切ない恋ものがたり。新装版。

友達がオススメということでくれた作品。家帰って読んでわかったが、これ上下巻ものなのね! 下巻は自分で入手せよということか……わはは。

古屋作品は、あまり読んだことがない。ダ・ヴィンチで1ページ、読者投稿を不気味な味わいのある4コママンガにしてあるのとか、以前スピリッツで連載していた『π』は全部読んだ(これはこれで終わってみれば不気味にインパクトがあり印象深い作品だった)。

で、事前情報というか印象として、古屋兎丸はそういうちょっと不気味テイストにしみじみとした叙情を加えた切なさを描写するのがうまい作家なんだなあというのを持っていたわけだ。そういう前提で本作を読んだ。

正直、こういう作品を上巻だけで評価するのはやっぱり非常に難しいものがある。上巻ラストで事件が起こって盛り上がってヒキはあるし、是非下巻も読んでみたいと思う。作品の舞台設定自体は興味をそそります。アナログ的な味わいのある機械・からくり科学の発達しつつある社会で、でもトロッコで移動したりなんかしたり、結婚・恋愛・育児などに関して独特の生活風習があったりして、なんかちょっとファイナルファンタジーシリーズのような世界がそこにある。恋する女の子はかわいらしいし、絵は独特のタッチでけっこう「そそる」ものだった。下巻まで読み終えたときの読後感を想像すると、かなりわくわくして期待できるものはあるなあ。