へうげもの 1,2,3服(巻) 山田芳裕

へうげもの 1 (1)

へうげもの 1 (1)

こーーーれは面白いーーー! 猛烈に面白い! 今年はもやしもんへうげものが個人的マンガ大傑作ツートップかなあ。いや、皇国の守護者を加えてスリートップか。
三作品ともに僕が今まで観たことのない世界を魅力たっぷりに描いており、読んでてわくわくしまくり。あまり涙腺を刺激されるうしおととら系の少年漫画的直球ド真ん中ストレートさっていうのは特にないけども、絵に大胆さとポップさがあり、人物へのスポットの当て方に凄くオリジナリティがある。

信長に仕える秀吉、に仕える数奇者、古田左介。彼の立身出世と数奇者街道まっしぐら! を描いたユニークかつパワフルな作品。世の中いろんな価値観があるけれど、戦国時代においての「モノへのこだわり」という尺度は非常に独特で、これがいいんですなあ。歴史マンガというジャンル、特に戦国時代という取り扱った作品がめちゃめちゃ多い世界の中、この視点を見つけた時点で「勝ち!」とジャッジしたいくらいだ。名物と呼ばれる茶器などを見て、目の色変えて興奮する主人公。いや〜ええわあ〜! モノに燃える、というこの熱量。素晴らしい! 装丁もポップでカラフル。読んでて楽しい! 骨董品じゃなくとも、現代におけるデジタルガジェットフリークや、あるいは「MONOマガジン」なんか読んじゃってる人なら、古田の気持ちもけっこうわかるところがあるんじゃないでしょうか。

そして3巻の織田信長の超人的最期については改めて書きたいところ。これを描いた時点で、このマンガは歴史に残るんじゃないでしょうか。まじで。こんな本能寺の変の解釈は、見た事がない。そして信長のありえない最期が凄まじすぎる。3巻は冒頭30ページでガアアアンとやられます。

太いペンタッチで描かれる戦国時代の群雄達は、皆々大変に魅力的であります。衣装、装束が個性的でポップなのがまた斬新でいいわあ……。だって、織田信長、ピアスしてるんだぜ! しかも何個も何個も穴開けて! 「これはひょうげておるのう!」と笑いながらピアス穴をあけたシーンが想像できてしまうわ。各話のサブタイトルが、有名な音楽の曲のパロディなのもおかしみがあっていいなあ。

歴史好きならその後の古田の人生、最期をおおまかであれ知っているところでありますが、先はまだまだ長い。これからどこまで描いてくれるのか、本当に楽しみです。マンガはまだまだ、途方も無く面白い! 歴史モノでは、あとは『センゴク』と『さよなら新撰組』をまとめて読みんでみたいなあ〜。A+

へうげもの 3 (3)

へうげもの 3 (3)