シートン 第1章―旅するナチュラリスト 1巻 谷口ジロー

出版社 / 著者からの内容紹介
19世紀末、一人の若きナチュラリストアメリカの広大な荒野に君臨した誇り高き狼王”ロボ”と対峙する。これは優れた画家であり「動物記」の作家であるシートンナチュラリストとしての成長を描いた物語である。

すげえ面白かった! 谷口ジロー作品は、大いにマンガとして、物語として読み応えがどっしりとあるものを描いてくれるので読んでいる時間が本当に充実したものになると思う。
僕はこれまで、シートン動物記もファーブル昆虫記も読んだことがなかった! 小学校の頃からそういう観察系のものにそんなに興味が無かったんだよなあ。小学校の図書館には火の鳥とか置いてあって、そっちばっかり読んでた。あと、恐竜が好きだったので恐竜の図鑑やNHK出版の出してた宇宙関係の本をよく読んでた。
さてそんな僕であったが、谷口ジローシートンについて描くとなれば、俄然興味は沸いた。ナチュラリスト(このネーミングもはじめて知った)としてのシートン、という側面から描いていて、シートンビギナーの僕には大変新鮮だった。シートンって画家だったんですねえ。
この1巻では、アメリカに来たシートンが、牧場主を悩ませる野生の狼「ロボ」と戦う日々が描かれている。谷口ジローは他にも犬を題材にしたマンガを色々描いているので、動物を描くことに関しては大いに信頼しているところであったし、またその信頼を全く裏切らない素晴らしい作品であった。ロボに圧倒されるシートンと、その偉大なる狼王ロボに敬意を払いながらも、人間として採りうる手段を最大限駆使して捕らえようとするシートン谷口ジローの「まるで見てきたように描く」絵は健在というかなお魅力を増している。いやーこれはすごいわ。A