世界観の改変
(cache) asahi.com:「ドラえもん」最終話、勝手に出版した男性が謝罪 - 芸能一般 - 文化・芸能
藤子プロの伊藤善章社長は「藤子さんの世界観に基づく作品を第三者が改変して公にするのは問題だ。ファンが仲間うちでやることはまだ許容範囲と考えているが、今回はその一線を超えている」と話している。
小学館が出してるドラえもん関連のコミックスも、藤子プロが描いたものや監修したものが色々あるが、それが「F先生の世界観をちゃんと反映しているか」といえば大いに疑問があるところです。F先生没後の幾つかの映画作品についても、絵もストーリーもF先生のそれには遠く及ばないのではないかという印象のものがあるし、そういう技術的な面を抜いても、それが本当にF先生の世界観を踏まえているのか? というドラえもん関連商品はある。全国各所の「御当地ドラえもん」を僕は商品としては面白いし否定しないが、果たしてあれが「世界観を反映して」いるのか? というとどうだろうと思う。東京タワードラえもんとかさくらんぼドラえもんとか、F先生の世界観に何か関係あるのか? それも変な改変と言えるのではないでしょうか?
他にも、学習コミックシリーズなど、ドラえもんというキャラクターをキーに使っているだけではないか?
この最終話は以前読んだことがあるが、愛情がこもっており、絵もストーリー構成も、他の「F先生以外が描いた」ドラえもんコミックに比較して大変よく出来ている。この作者が責められるとすれば、流通ベースに乗せて金の動きが大きすぎたというところと、著作権侵害という点だろう。著作権侵害という点では確かに改変行為はアウトなんだろうけど「藤子さんの世界観に基づく作品を第三者が改変して公にする」というのは、藤子プロ自身、あるいは小学館自身もどうなんだと言われないようにして欲しい。あの最終話と、ドラえもんの学習コミックシリーズ、どっちが「ドラえもんの世界」として「しっくりくる」かというと、僕は前者だ。
正当な権利を承継しているのは藤子プロかもしれないが、権利者ではない小説家やマンガ家、その他のクリエイターにも、F先生の世界観やその魂を受け継いでいる者は数多くいると思うので、そういったクリエイターの方たちの今後の作品に期待したい。
ドラえもんプラス (5) 藤子・F・不二雄 by G-Tools |
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