ロッキー・ザ・ファイナル DVD
- アーティスト: シルベスター・スタローン 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 値段: ¥ 2,953
- はてな: asin:B000TV84IK
ロッキー・ザ・ファイナル、いい作品だった。とても力強い映画だった。20年くらい前に1を見て、その後金曜ロードショーなどで2,3を観たという記憶がおぼろげにある。4は観た覚えがない。そしてファイナル。映画として独立している以上これだけ単独で鑑賞しても問題ないだろう、ということで眠れぬ夜に観た。
素晴らしい。ロッキーとはこんなにも、こんなにもカッコよかったのか。「どれだけ痛みを与えられても、どんなに辛くても、前へ進むんだ」という父ロッキーとその息子ロバートの会話に胸を打たれた。そしてロッキーの最後のリング、最後のラウンドに向けて熱さも涙も最高潮に。トレーニングシーンとあの音楽もやっぱり最強だなあ。私もジョギング時にはあの曲を聴きたくなってきた。元気が出る映画です。
トレーニングシーン、試合シーンで見せた60歳を過ぎてあの肉体、驚異的としか言いようが無い。筋肉増強剤を使用したという話だが、「そこまでしてでもファイナルを撮りたい」という想いがずっしりと伝わってくる鍛え上げ方だった。そしてロッキーのキャラクターそのものが、すごく好感が持てる人間だなあと感じた。息子への大いなる愛情、エイドリアンへの想い、彼は愛に満ち溢れている。そして心の中に消えない炎を持っている。6,7歳の頃に観たロッキー1の内容はもうほとんど覚えていないけど、改めて見直したいと思うようになった。
試合の結果は本質ではない。勝ちに等しい負けもあれば、負けに等しい勝ちもある、ということ。若い無敗のチャンピオンとのリング、という設定は絶妙である。物語的にロッキーには勝って欲しい、しかしさすがにリアリティが無さ過ぎる、ではどうなるか……? というところで、これしかないっていう結果だったので大いに納得する。というか、この結果自体に文句をつけてる人は皆無だろうな。
過去に向き合うとき、未来が見えないとき、人生が停滞しているとき、人はどうするのか。パッション、エモーションとしてどうあるのか。今の私も色々とうまくいかないことが多く、くじけることの多い日々ですが、どうなるにせよ、胸の奥に燃えるものがあるならば、全部燃やし尽くすことがとても大事なのだと感じた。そしてこの映画は、ロッキー・バルボアという人間を通して、人として何が大切なのかをその行動でもって、生き様でもって示している。「心は年をとらないんだ」は名言だ。
ロッキーの率直で誠実で実直なメッセージが随所にあって、本当に自分に言われているような心境になる。「チャレンジしない人生に何の意味がある?」とロッキーは言う。私は肉体こそまだそう老いていないけれど、心に無駄に年をとらせてしまっていたのかもしれない。これは劇場で大画面でも観たらよかったなあと少し後悔した。
ああ、ボクシングシーンも見ごたえがあった。アメリカのヘビー級の試合って、おっそろしいほどパンチが重い。ズッズッっていいのが1,2発当たったら速攻でもう気絶KOになりうる確率が高い重さだ。まあいいところに当たれば軽いクラスでも1発KOはあるけど、あれで12ラウンドまでやるとすれば凄まじい体力を消耗するのだろうなあ。
名シーンであるところのトレーニングシーンでは、最後にフィラデルフィア美術館の階段の上まで駆け上がるのですが、エンドロールで地元の人らしき人がここに上ってロッキーと同じ仕草をするショットがいっぱい入ってるんですよ。いやあ、私もフィラデルフィア美術館に駆け上り、両手を突き上げたい! A-