2007年を振り返る色々ベスト5

今年ももうじき終わりです。今年も色んな作品に出会えて良かったです。生きていると、面白いことは限りなくたくさんあるなあ。面白い作品を堪能すること。つかの間の快楽ですね。来年もよろしくお願いします。

なんか書く予定だったことの積み残しが一杯あるのでどこから消化したら良いものか。まあ、書きたい順に書いていけば良いのだ。映画名選とM-1グランプリ2007のことからかな。

私的ベスト5

今年初めて触れた作品、ということに限定(なので初出時は必ずしも2007年に限らない)して。

マンガ

邪眼は月輪に飛ぶ 藤田和日郎
シートン 第1章―旅するナチュラリスト 1巻 谷口ジロー
GANTZ 1巻〜14巻 奥浩哉
少女ファイト 日本橋ヨヲコ
らいか・デイズ むんこ(感想はまだ)

同列1位なんだよなあ。

藤田先生は相変わらず1巻くらいの分量で完結するお話が抜群にうまい。キャラクターの描写も達者で、マンガにかける情熱がひしひしと伝わる。

谷口ジロー作のシートンも凄い。「しゃべらない動物」を描く技術は谷口先生がトップレベルなんじゃないだろうかと思う次第だ。彼の作画力にはただただ感服する。

GANZは今年はじめてまとめて読んだ。14巻以降も読了しているが、これも絵がうまいし、怪物の異形描写の迫力が尋常じゃない。ガンツの謎も徐々に解き明かされており、これからの展開も楽しみにしている。

少女ファイトもやはり良かった。日本橋ヨヲコの描くケレン味の素晴らしさは他の追随を許さないものがある。3巻読まないと……。

それと、感想はまだ書けてないんだけど、らいか・デイズも素晴らしい。冷蔵庫のない生活で何度もオススメされていたのでぜひ読まねば、是が非でも読まねば、と思い読んだところ滅法面白くてたまらなかった。ほんとにいいマンガだ。あったかさとやさしさのある面白い4コマってもう最高じゃないですか。4コママンガ雑誌全く侮れぬ。そのうち釣り雑誌やパチンコ雑誌からも、ものすごい名作が生まれるかもしれませんな。

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あと連載で読んでいるだけなのだが、福満しげゆきさんも大好きだ。ああいう作風と絵は僕はすごく好きだ。来年しっかり読みたい。

映画

DVDで鑑賞したものは除き、劇場で観たものから。

300 スリー・ハンドレッド
ヘアスプレー
パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド
レミーのおいしいレストラン
ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い

300は描写がきついところがあるので血液ブッシャーが苦手な人にはオススメできないかな。しかし鍛え抜かれた肉体美と「闘士」としての恐るべきカッコよさをカッコイイ映像でこれでもかと魅せたのは素晴らしい。とにかく僕は好きだ! という作品。

ヘアスプレーは万人にオススメできるミュージカル映画で、観ていて本当に楽しかった。娯楽としての映画っていう点で評価するとすれば最高点つけたいところだ。ラストの盛り上がりはこっちまで踊りたくなってきてしまう。

パイレーツ・オブ・カリビアンは1,2を観ていたらもう観るしかないなあと。なんかこれまでのヒーローやライバルが終結して最後の戦いを繰り広げる、なんていうのは王道少年マンガの最終回を思わせる展開であって、それがハリウッド、ディズニーの資本力をフルに発揮して映像化するというのはとにかくゴージャスであった。

次点がドラえもんのび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い、レミーのおいしいレストラン。ドラえもんはストーリーの原作からの変更点はなかなかいいなと思った。声優に久本さんを起用する意図は相変わらず不明なのだけど、去年も今年も、新ドラの劇場版のクオリティは非常に高い。レミーピクサーの力量を存分に発揮した素晴らしい作品。娯楽性という点ではジブリより高いかもしれん。

あとはトランスフォーマーエヴァンゲリオンの新作も観てたらランクインしてたかもしれんところ。

DVDも含めて今年観たという中では時をかける少女ロッキー・ザ・ファイナルが頭一つ抜けて素晴らしかったな。

狭い範囲でしか読んでないので大いに偏りあり。
化物語 西尾維新
ぼくのメジャースプーン 辻村深月
凍りのくじら 辻村深月
あしたのジョーの方程式 島本和彦 ササキバラゴウ
刀語シリーズ 西尾維新

辻村深月作品ではもう一つ、スロウハイツの神様というのも凄まじく良かった。感想書きたい。辻村、西尾でベスト5中4作品という偏り。いやもう本当に気に入って面白かったもので……。

化物語西尾維新が趣味全開で書いたという作品だが、実にツボにはまった。ストーリー展開もさることながら、会話文が恐るべき面白さ。個人的にこれまでの西尾作品全部の中でもトップかなあ。ストーリーのカッコよさでは魔法少女りすかもいいんだけども、化物語はとにかく読んでいて楽しかった。読み終えるのが惜しかった。

ぼくのメジャースプーンは、凍りのくじらの後に読んだ。凍りのくじらで作家としての力量は確かだなと思っていたので安心して読めた。しかし辻村さんという作家は人間の心理的な優越感とか劣等感とか闇を描くのがかなり上手だ。自分の心の中のフックにガンガン引っかかる。本作のテーマの一つは、大切な人が傷つけられたときに、人はその傷つけた相手をどうするかというものだったのだけど、作者も真っ向から挑戦して書いてて好感を持った。

凍りのくじらはドラえもん絡みというか、作者が藤子・F・不二雄が大好きという繋がりで読んでみたのだけど、迫力がある物語で良かった。ドラえもんひみつ道具が各章のタイトルになり、内容を示唆させる。心理描写がえらく生々しくて読んでてけっこう疲れたのだけど、むちゃくちゃ読み応えがあるものだった。

あしたのジョーの方程式は、島本和彦が魂こめて大好きなあしたのジョーを語るという本だったので興味を持って読んだ。数時間で読めるものだけど、島本和彦という漫画家はマンガを語るのが実にうまい。分析的であり、批評的であり、親しみがわきやすく、愛情がある。あしたのジョーを一気読みしたくなる1冊。

刀語はまあ、今年の西尾維新を象徴する作品だな。色々不満点もあるけど、それはもう僕の西尾維新作品に対する期待値が凄く高いっていうのもあってのものなんで。

とまあ、駆け足でざっと振り返ってみました。色んなことがあって、いいことも悪いこともある人生ですが、来年もマンガは面白いでしょう。小説も面白いでしょう。映画も面白いと思います。それらを楽しむべく、来年もなるべく頑張って生きてゆきたいと思います。