M-1グランプリ2007

2007年のM-1も面白かった。個人的にはもうワールドカップの日本代表の試合よりもしっかり注目している。昨日の風はどんなのだっけ?で連日のようにM-1話が更新されており、当方も色々書きたくなったので自分の評価込みで色々書いてみる。もうあの出囃子だけでドキドキしてくる興奮があるよなあ、M-1。大好きなバックトゥザフューチャーのテーマ曲が使われているのもいい。

毎年のごとく、笑ったところに笑いと記す。5つ☆が最高で、★は0,5点みたいな感じ。

審査員紹介とチュートリアルのトロフィー返還であんだけ時間使うなら、チュートリアルにネタ1本やってもらって会場わかそうよ。しかしオートバックスのCMすごいな。何パターン作ってるんだこりゃ。しかもこの日以来、このCM全然見てない。

笑い飯 ロボットの発声 ☆☆☆★

M-1に適しているというか、中盤以降畳み掛ける、加速してうねり上げるような展開ではなく、わりとボケが並列的になってしまっていた。やめよっかなー、だしましょうだしましょう笑い。このくだりはけっこう好きで、最終的に立場が逆転するところも面白かった。テンポ的に一番残念なのは、前のボケにつっこみ終わってから、次のボケに行くまで何度も何度も同じやりとりをするのを聞くのが最後面倒になっちゃったんだよなあ。パパパーパー、ウイーンガシャって何回繰り返すんだっていう。あそこの反復作業で飽きがきてしまった。よ、まってましたを機械的に言うのはちょっと笑った。加速度、加速度が感じられなかったのがただただ残念。

POISON GIRL BAND 島根と鳥取 ☆☆☆

相変わらずだなー。好きっちゃ好きなんだけど緊張がこっちまで伝わりすぎた。大竹まことはニコニコしながら観てたね。彼らの世界に入っちゃえばもっと面白度合いがアップするんだろうけど、それを拒むなにかがあるのか、M-1会場。ポケットに入れての下りでもっと爆発すればよかったのになあ。個人的にはまたもや数年前の「中日の帽子」を越えられず。島根目に入れる笑い。きこえてんじゃん笑い。でも松ちゃんは90点入れてるんだよねー。「M-1用のネタじゃない。10分以上観たいもの。」と評していたのが全てか。

■ここでサンドウィッチマン敗者復活制すの報。競馬場絶対寒いよなこれ……。
ノンスタかとろサーモンあたりくると盛り上がるかなあと思ってたら全然予想してない人がやってきた!

ザブングル レジでむかつく話 ☆☆☆

悔しいです笑い。顔面と歯軋りの奇怪な音笑い。なんて顔してんだ笑い。もっと僕のことかわいがってくれよ笑い。このワンワンから爆走していくのかなと思ったらさほどでもなく残念。チュートリアル徳井さんのペロのワンワンを思い出した。

果たして顔面の凄まじい飛び道具を活かしきれたのかどうか? ポイズンより20点上だけど、そこまで差がつくものかなあ。カッチカチやぞも入れたらいいのに。こういうタイプは今まで彼らがウケた中での鉄板の芸であるとかネタであるとかを思いっきりぶつけたほうがいいのではなかろうか。

千鳥 動物園の飼育員 ☆☆☆

僕は好きなんだけどやっぱり、やっぱりM-1向きじゃないというか、ネタを並列的に組み合わせるだけだと審査員の評価は低くなる傾向にあるのはよくわかる。カネとれりゃせんじゃろ笑い。ノブさんの言い回しとかは凄く好きだ。並列的ではなく積み上げ的掛け算的な3連発だったらなあと思うと残念。紳介の「95点かなーと思ったらフェイドアウトしていく」が印象深い。オール巨人は87点入れてたね。ワタミもいいけどどうせならとことん風呂敷を宇宙規模まで広げるほうがいいと思う。俺は中世ヨーロッパも幕末ごっこも好きなんだけどなあ。幕末ごっこよりはちょっと落ちるものかな。

トータルテンボス ホテルのフロントマン ☆☆☆☆☆

しのびねえな笑い。鼻の息止めるな笑い。臭くないバージョン笑い。何泊4日笑い。ねむれねーのかアホ笑い。不安で夜もねむれねえや笑い。ヤングヤンガーヤンゲスト笑い。俺ボイラー室の場所しらねえし笑い。ここ一番好きかも。いわくはごめんだよ笑い。おびただしいほどの量の油が笑い。すってんころりんしたんだよそうだよ笑い。施工主のばか笑い。電話ガチャ笑い。施工主のばか再び笑い。中華の部屋笑い。

うまいなー。テンポと加速度感、うねりがあった。今年は彼らで決まりかなーと思った(この時点では!)。当然のようにこれまでの最高点646点。

キングコング 服屋の店員 ☆☆☆☆★

いい感じにビリビリ緊張しているのが伝わるなあ。何かパクられ笑い。貴様笑い。仏様笑い。あいだ様笑い。今年は茶色笑い。お釈迦様笑い。ハイタッチ笑い。しかしこまりました笑い。仕草笑い。ナップサック笑い。ズーボーン笑い。一瞬チクっと笑い。ビクってすな笑い。ちょっと長いか。堂々とぼったくるな笑い。四股名笑い。小さい言葉遊びがいいな。ハイタッチ連発笑い。スタンプ押しすぎ笑い。

パワフルで勢いもあって良かったんだけど、僕としては早すぎ、詰め込みすぎかなあという印象でその点でトータルテンボスよりわずかに評価は低かった。勢いの力が強すぎて、聞くのにかなり力がいるしちょっとしんどいかなという感覚が残る。小さい言葉ボケをもう少し減らして、大きいアクションのとれるボケを入れたほうがダイナミックになったかもしれない。単語数をカウントすると全組中最も多いのではないか? でも審査員的には合計650点でトータルテンボスを抜いて1位。オール巨人の「トータルテンボスより2点落ちるかな」が一番共感する。

ハリセンボン お天気キャスター ☆☆☆★

顔が曇り笑い。平熱低い笑い。つっこみがシンプルだなあ。天狗を見た青森笑い。天狗みたのーってなるよ笑い。韓国のお天気笑い。仲本工事のたとえ笑い。でもこれはわかりにくい。お前にこねーよお前にこねーよ笑い。指を刺さないで笑い。ドントタッチミー笑い。ジャッジミー笑い。クローズユアアイズ笑いでも聞き取りにくい!!!

ドントタッチミーが拍手起きて一番盛り上がったなあ。タッチミージャッジミークローズユアアイズはコンマ数秒もう少し区切ったほうが聞き取りやすくて笑いの間もあって良かったかも。608点だけど笑い飯とだいたい同じくらいかなーと思った。上沼恵美子がいい感じのコメントをしていた。

ネタ後の今田さんとのやり取りも良かった。メガネがいいね。

■ここで笑い飯の敗退コメントがメチャクチャ面白かった。茶の間が怒ってますよ茶の間がと一歩も動かんぞ! のダブル。しかしここで本領発揮してどうする感もあり笑い。

ダイアン スカウト ☆☆★

かつての南海キャンディーズのように、大きく売れるきっかけになるかなと期待していたのだけどそこまでの爆発はしてなさそうで残念。淡々と斜めからのボケを繰り返すのは嫌いじゃないし芸風がダウンタウン的なのは、まあそういうものなのかなあ。

それが僕の仕事だからね笑い。お金を貰いすぎている笑い。この天丼は好きだしジャケットが良く似合うも好きだ。ただ今年の年末くらいにダイアンがやったネタとかをはっきり思い出せるのかというと、あまり自信が無い。なんかこうまずまず上手でそこそこの点数になるという、大きく売れる未来への架け橋としてのM-1出場としては、非常に微妙だなというように感じる。漫才のテンポとしては、高速しゃべくりよりも彼らくらいのテンポが僕は好きなんだけどなあ。

サンドウィッチマン 街頭アンケート ☆☆☆☆☆

長い間エンタの神様も見てなかったので実質初めて見るコンビでありました。ボケの富澤さんがバナナマンの設楽さんに似てるなー(顔の雰囲気も声も)と思った。

目に材木笑い。らっというま笑い。お前ってかいとけ笑い。伊達苗字笑い。おでぶちゃん笑い。血液型ややこしい笑い。CのB型笑い。繋がった兄弟笑い。お仕事何力団笑い。協力団笑い。ねーと思ってる笑い。焼きたてのメロンパン爆笑。カレーだろ笑い。何言ってるかわかんない笑い。いい声笑い。200歳までいきてくんだバカタレ笑い。伊達ちゃんて言うな笑い。お前だよ笑い。

ネタ後のマナカナのブログへの恨み節笑い。こりゃあ笑ったなあ。シンプルにとても面白かった。笑いどころというか、笑ったところがほんとに多かった。つっこみがちょっとさまぁ〜ず三村さんに似てて気持ちいいし、ボケの朴訥な感じも面白い。終わってみれば651点評価1位。小池栄子「えーすごい!」と取り乱しすぎ笑い。

で、こっからがまた面白かった。今田さんとのやりとり。ネタがないです笑い。面白くないです笑い。なんなんだこのやりとり! あははは。オール巨人「なぜ彼らが敗者復活ではなく普通にこの場にいないのか」とのこと。ネタ同じやつですか笑い。あれ覚えてないです笑い。今田さんとのやりとりなんかめちゃ面白かった。あっはっは。(準決勝)やってないっす笑い。これなーこの一連の今田さんとのやりとりで、最終決戦、最後のネタどうなるんだろうとものすごくワクワクさせた。一緒に見てた人は携帯でサンドウィッチマンの詳細を検索して調べ始めたくらいだ。

伊達さんはこわもてだけど、なんかブログから人の良さがにじみ出ているよ。↓
何で、なに言ってっかわかんねーんだよっ! ≫ スーツさんへ
「いい人な感じ」というのが品川さんより率直であり、親しみが持ちやすい印象。(今見たら記事自体が移転により消えてました。アメブロに行くのだろうか。行くのはいいけど記事消さないで欲しいよ。)

■出順確認。ここ数年はラスト出番が優勝する傾向にあるが、今回も1位通過のサンドウィッチマンが「ネタの練習したいので」3番手を選んだ。残りの1,2番手については、あまりどっちでも関係無いのかもしれない。とにかく最後の3番目だけはやっぱり前2組よりずっと強く印象に残る度合いが強いのだろう。

ファイナル3組については前の8組のときの評価基準より少し厳しめにしてみた。さもなくば5つ☆制度なら全員5つ☆になってしまうので……。

トータルテンボス 旅行代理店の店員 ☆☆☆☆★

しのびねえな、もう慣れたぞ笑い。インド出身笑い。サイババ笑い古い! やっすっすねぁー笑い。その日僕NG笑い。ノリが気持ち悪い笑い。いじられまくるじゃねーかよ笑い。めっさめさないね俺は笑い。俺芳香剤か笑い。鼻つまみ笑い。プランプランプラン笑い。はてさてミステリーツアーとは笑い。鹿たくさんじわっと笑い。奈良漬笑い。三つのキーワードでわかるわい笑い。国内のプランすっくねー笑い。のどパサパサ背中がなくなる笑い。緯度がたけえ笑い。やっすっすねー笑い。一緒にいこうぜ笑い。余計都合いい笑い。デラおもろそうじゃん笑い。カストロ笑い。のどパサパサにしよう笑いちょうど背中がいらなかった爆笑。俺サイババだった笑い。つっこみながら変な仕草と表情するのがめちゃくちゃツボにはまった。

★の減点理由は1発目のネタと構造が同じようなものだったので。コント的なものよりガンガン漫才的な要素を増やしてみてほしかったなあ。あと1本目と比較して、わずかに劣るか。

キングコング 台風レポーター ☆☆☆☆

やろうぜ笑い。梶原の現場ちょっと笑い。お天気ネタでハリセンボンとかぶったか。ダケドタスカル笑い。現場いけ笑い。クリステルを投げ捨てる笑い。これもかぶったか。梶原ですよね笑い。でした笑い。ほんとに言葉遊びが心地いい。風の中の動き笑い。つっこみが段々もう絶叫調になってる……。ビクってすな笑い。

しかしほんとに速度がしんどい。4分に6分くらいの内容を詰め込んでいるのかなという感覚になるくらい、詰まってるものが多い。それをうまくさばければ完璧なんだろうけど、今回はその詰め込まれたものを詰め込まれたまま全部出された感じがする。なんか難しいなあ。加点法だと高得点になるけど減点法だとこれまたけっこう減点になってしまう要素にもなりかねないような。あと彼らもネタのパターンが1本目と構造的に同じだったな。比較すると1本目のほうが好み。

サンドウィッチマン ピザの配達 ☆☆☆☆★

行くかどうかで迷って笑い。イカの血笑い。お待たせしました笑い。お前の勝ちだ笑い。あはは。狙いを安く笑い。500円にしかできない笑い。空耳を生かしたネタ作りがベースなんだねえ。死んで間もない笑い。ピッツァです笑い。104じゃねーか笑い。ちゃんとピッツァって言いました笑い。知らないです笑い。ユビ笑い。けじめピザ笑い。コーラ笑い。入ってるそうです笑い。先に医者だせ笑い。テクニシャン笑い。店長トッピング笑い。

構造的にはこれもまたシチュエーションネタであるけど、何せ敗者復活から来ての勢いと新鮮味っていうのがまだまだ効いてる中での2本目だったので「普通にとても面白い!」というプラス面に転んだ。1本目と比較しても質的笑いの量的に同程度以上。ネタあるやんけ! あるやんけ! とにやけてくる。

■最終結果発表

中田カウスラサール石井トータルテンボス大竹まことキングコング。残りがサンドウィッチマンサンドウィッチマン優勝。非常にドラマティックであった。内容的にはほんとに誰が勝ってもおかしくないなあと思ってたけど、敗者復活からの優勝は素晴らしい。

個人的には紙一重、本当に紙一重トータルテンボスのほうを高く評価するんだけど(10年目優勝したらいいなあという浪花節的感動もあり)、それは僕がああいう積み重ねとうまい天丼とうねりと勢いがミックスされたものを好む傾向にあるというものというフィルターというか評価軸があるからで、10人の中での視点の違いと好みの結果なのだから、サンドウィッチマンが優勝でも全く異論なくOKである。面白かった。1000万円渡しにきたオートバックスの人は、去年のメガネの人と変わってたな。去年の人けっこう好きだったんだけども。

▼今回見てて、幕間というか、ネタ後の今田さんや審査員とのやりとりっていうのは、ファイナル3組に残るにはけっこう重要な要素なのかもしれないと思った。サンドウィッチマンは言うに及ばず、ハゲを見せるという博打を打ったキングコングチュートリアル福田さんいじりをかましトータルテンボス、いずれも印象深い。ポイズン、ダイアン、千鳥はそこの部分厳しかった。ザブングルは上沼さんに猛プッシュされていたのは面白かったが、ツッコミを評価されたというのは本人らには本意ではないところだったかもしれない。