R-1ぐらんぷり2008 テレビ

矢印横の数字は個人的得点、矢印の左は前予想。

COWCOW山田よし(吉本興業 東京) - →85
紙を使った北の国からネタ。幅広くくすぐられた。出番が1番ということもあり1点ボーナス。後半の夕張メロン天丼は好きだなあ。カボチャ挟んだのも良かった。田中邦衛になりきるのかファッションだけなのか、キャラクターの持って行き方はちょっと中途半端に感じた。口調、というかイントネーションは意識してるんだけどなあ……。ジューンは雰囲気で押し切られた感あり。

世界のナベアツ(吉本興業 東京) ◎ →90
3の倍数系おしまくりネタ。これで4分やりきったのだから恐れ入る。ちょっと世界の広がりが物足りなかったかなあ。音楽ネタと混ぜるのは難しかったのかな。うーん。でも世界のナベアツここにありというのは存分にしめすことはできたんじゃないかと思う。今年もっとブレイクしそうだ。異世界だなあ。はじめて3の倍数ネタを見たときの衝撃はディラン以上であることは間違いない。脱帽の発想力。審査員コメントで太平サブローはやはり今年もどうしようもなかったかと残念に思う。

中山功太(吉本興業 大阪) ▲ →83
対義語ネタ。上手だなあと思うけど、ちょっと弱い。ネタが並列的なのが残念。突っ込みも的確だけども小粒感があってどうも惜しい。アゲアゲ農民はいいな。爆発力、着火ポイントが全く感じられず終わった。

なだぎ武(ザ・プラン9)(吉本興業 大阪) ○ →92
文化祭の出し物検討。ファミコンの2コンのマイクにして歌から「ややこしや」歌舞伎の動きがお見事。ファミコンのバグ笑い。いやあ、「ややこしや」はいいなあほんと。これは好きだ。シルエットがいかせる服装で身体の動きを見せているので非常に見栄えがいい(特に足)。そしてあの表情は強いわ。ややこしやのフォーマットは中身のネタ変えても十分使える普遍性がある。間師匠をして「参りました!」と言わせたのは凄い。

鳥居みゆき(サンミュージックプロダクション) ▼ →88
ネタ集。妄想紙芝居、人形劇、牛丼コントはうまいなあと思った。人形劇の「ガサガサ」笑い。まつやよしのや笑い。見てる人置いていかないラインで突っ走っていいなと思った。しかしR-1の傾向というか、大枠のテーマに沿ってネタを展開させたほうが有利というムードがあるように思うところ、鳥居さんは持ちネタを散発的に展開させたのは惜しい気がする。

あべこうじ(吉本興業 東京) △ →84
漫談、鼻毛ネタ。ウザ芸の極致! 鼻毛鼻毛鼻毛ときて不思議の国のアリスのトランプ笑い。しかしトランプ分かりにくいな! エイチエーピーピーワイはやらなかったんだね。ウザ芸なんだからしつこくやってもいいのにあれは。話術は大変達者だと思うので、2006年のウィンナー漫談のような、何度も何度もスパイラルするネタを再び聞きたい! いまひとつ伸びきらなかったのはなんでだろう。鼻毛自体は勝負できたと思うんだけど、鼻毛へのいじり方がやや並列的に感じたのと、なんでそこで不思議の国のアリスのトランプのキャラクターいっちゃうんだーという惜しさかな。ああ。R-1のDVD見る度に、楽屋とかで積極的に若手芸人、後輩らと繋がりを持とう、持たせようとするあべこうじは大好きなんで本当に残念。人としてかなり好きなタイプの芸人さんなんだが。

芋洗坂係長(トリガープロモーション) - →93
替え歌&ダンス。あーノーマークだったーめちゃくちゃ面白かった! 今回はこの人かなあ。インパクトがあり内容が良かった。あー人事課ソングめちゃくちゃ面白かった。モルジブカンボジア笑い。風貌とネタのチョイスがすごくマッチしていて、自己分析、自己プロデュースが非常にうまいなと感じた。個人的にインパクトの点でなだぎ武より1点上。M-1サンドウィッチマン以降、意外な風貌が凄まじい面白さを発揮していくなあ。

土肥ポン太(吉本興業 大阪) ○ →83
フリマを舞台にモノボケ連発。悪くないと思う……が、個人的にオールザッツでの郷ひろみのカメラマンのほうがもっともっと面白くて笑ったんだよなあ。あれを4分フルバージョン、とか見たかったな。あれなら史上もっとも口数少ないネタで優勝できたんじゃないだろうか。ネタのチョイスは友近あたりに相談してみてほしい。まあ友近もニシオカズオでやってたけどね……。

個人的順位

1 芋洗坂係長 93
2 なだぎ武 92
3 世界のナベアツ 90
4 鳥居みゆき 88
5 COWCOW山田よし 85
6 あべこうじ 84
7 中山功太 83
7 土肥ポン太 83

結果(公式)

1 なだぎ武 474
2 芋洗坂係長 472
3 世界のナベアツ
4 中山功太 459
5 あべこうじ 454
6 鳥居みゆき 451
7 土肥ポン太 449
8 COWCOW山田よし 447

▼追記

順位発表時での中山、あべ、ナベアツ各氏の表情の苦々しさ、曇り方が凄かった。特にあべさんはなだぎさんの後ろにいるからよくカメラ抜かれてたんだけども全く笑っていない。ちょっとでもニコっとしてたのは鳥居みゆきさんで、なんかなるほどなあというか、妙に納得してしまった。全体的な印象として、今回はどうもネタの方向性のチョイスを誤って優勝から遠ざかった人が多かったように思う。あの審査員に対してどうするんだっていうのはあるんだが、ポテンシャルはあるのに遠ざかるのは本当に勿体無い。ナベアツさんは3の倍数で出し切ったけども、去年から3の倍数ネタがかなり消費されている中、広がり、奥行きはどうであったか(とはいえこれは昨年のなだぎさんのディランで押し切った前例があるからなんとも言えない)。土肥さん、中山さん、あべさんも然り。あと、上位3組と残り5組には、ネタ中に面白さが爆発するポイント、力があったかどうか、爆発の着火点があったかどうかという決定的な差がある。特にあべこうじ土肥ポン太には間違いなく爆発のポテンシャルがあったはずなのに、ネタの選別でそれをうまく発揮できていなかったのが本当に残念。