少女ファイト 3巻 日本橋ヨヲコ

からして燃える。日本橋ヨヲコの言葉の切り取り方は、ものすごい迫力がある。この人の作品は、キャラクターの顔(表情)とセリフが本当に印象に残る。誰がいつどういうシチュエーションで、どんな言葉を、どんな心情を吐いているのか。その繋がりが、大きな人間ドラマを生んでいる。キャラクターの線は力強い太さがあるタッチで描かれ、絵にメリハリがあってマンガとして大変読みやすい。

3巻は1,2巻よりさらに物語がグっと動き出し、登場人物も増えてきて皆のエピソードが広がっていく。こうして各キャラクターに奥行きが出て、それぞれの魅力につながるのだなあ。今回の厚子、ナオを中心とした池袋ベットバレー編は題材も新鮮で面白かった。黒幕的存在であった本間も三國弟のはからいにより合法ビジネスをするようだし、今のところ根っからの「悪者」というのはこの作品には出てきていない。根っからのワルっていうのは日本橋作品にはいなかった気がするなあ。ほか、地味に恋愛フラグが色々ありそうなのは続刊に期待か。終盤、ミチルが隆子に追い詰められる描写は恐ろしい生々しさがあり読んでいてどきどきした(ああ、悪者と言えばこの隆子が今のところ一番腹黒い人格の持ち主のような気がする)。

相変わらず、背景や衣装や小道具や建物なんかはうまくてとてもきれいだけど生活感がないなあという感じだけども、この人のマンガの魅力はそういうところでは全く無いので、それもまた個性なのかな。A-

少女ファイト - Wikipediaは非常に細かいね。かなりの記述量である。