椿三十郎 DVD 織田裕二

織田裕二はX軸に陰気ー陽気があって、Y軸がコメディーシリアスだと分類している。最近の作品はやや陰気ーシリアスの面で演技しているものが多いなあと思う(県庁の星とか)。尊敬している役者が高倉健らしいので、今後の織田さんの方向性としては陰気ーシリアスベクトルがさらに強まりそうだ。で、椿三十郎はどのあたりか。これけっこう異色かなという感じで、陽気ーシリアス路線である。表情、性格は比較的陽気、声は低めでシリアス、ふるまいもシリアスという感じ。僕は黒沢・三船版を観たことがない分先入観もなく鑑賞して、なかなか面白いなあと思った。凄い傑作! とまではいかなかったけど、邦画を賑やかす1作になったことは間違いない。敵役である室戸半兵衛との、最後の決闘シーンは素晴らしかった。あの緊張感はいい演出だなあ。年末年始にテレビでやってくれたらけっこう観る人多そうな邦画でありましょう。あと、気になったのは、ことあるごとに「ジャジャジャーン♪」と椿三十郎専用効果音が流れてくるんですが、これめっちゃ漫画チックで段々面白くなってきてしまった。あれちょっとやりすぎちゃうのかしら。漫画チックにわかりやすくやろうとしてやってるなら大いに拍手したいが、実際どういうつもりなんだろうか。B