オタクに未来はあるのか!?―「巨大循環経済」の住人たちへ 岡田斗司夫 森永卓郎

ベストセラー『いつまでもデブと思うなよ』の著者であり、オタク文化論の論客として知られる岡田斗司夫氏、
また『年収崩壊』など経済分野に健筆を振るう一方、ミニカーの収集家、日本メイド協会理事も務める森永卓郎氏が、
成長続けるオタク産業、オタクの人々を分析し、その未来を語る。
果たして、増殖を続けると思われているオタクたちの未来とは、天国か、地獄なのか…その行く末が大胆に語られる。
内容例を挙げると、
◎日本はオモチャカルチャーの後進国だった
◎オタクの細分化と断裂が始まった!!
◎オタクは、格差のない循環経済
◎恋愛マーケット55兆円に。不参加だったオタクたち
◎オタクは、年齢や立場に影響されない特殊な消費層である
◎高付加価値化と、オタク外貨の獲得
◎オタクは華僑である
◎オタク自身の意識改革が必要等々。
オタクからオタク予備軍はもちろん、腐女子まで、読んでみてみずからの未来を感じとってほしい1冊てる。

スラム化するネット、細くなるオタク産業。オタクの経済活動という視点は面白かった。森永さんにもうちょっと実体的データを突っ込んで解説してほしかったなあ。しかしまあ意味ありげにエグイ表紙だこと。対談形式なのでさくさく読んで読了。

僕は読んでる量とかからしても一般人からかけ離れた漫画オタクではあると思う。でも漫画の一部なんだよなあ。シニア系、児童系のコミックは基本的にほとんど追えていないしあまり追いかける気も出ない。少年誌と青年誌、あとおっさん系コミックの「旬」と「面白そうな芽」を楽しむのがせいぜいではある。パチンコ漫画、麻雀漫画、時代劇漫画も基本的に専門外だしなー。そういった細分化する嗜好に対して「もうばらばらでいくしかないんじゃよ」という話をしているのが「オタクはすでに死んでいる」で、両書の相互補完の関係は読み応えがあった。森永さんのオタク趣味、ミニカーとメイドカフェの話は非常に面白かったな。この本に出てきた「シャツ・キステ」はなかなか興味をそそった。B