僕の小規模な生活 1,2巻 福満しげゆき

僕の小規模な生活 1 (1) (モーニングKC)
僕の小規模な生活 1 (1) (モーニングKC)福満 しげゆき

講談社 2007-12-21
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あー滅茶面白かった。コマとセリフが多いので読む時間がかかる作品で、さらに密度も濃いので本当にいい。売れっ子漫画家や有名人への嫉妬オーラを包み隠さず淡々とさらけ出す。そういう「情けなさ」もまた作者は自覚していて、自己嫌悪したりする。凄いなあこれ。絵の湿度とか温度が凄い好きで、妻とのやりとりが素晴らしい。妻の博多弁が素晴らしい。僕は方言が大好きだ。地方独特の雰囲気がある。妻の話す方言は方言のままセリフに出力されている。「○○せんよー」みたいな言い回しがとてもいいなあと思うのだ(性格はちょっとエキセントリックな部分もあるように思うのだけども、このマンガで唯一かなりエッジが立ったキャラクターとしてスパイスになっている。いや、主人公の夫も相当なもんだけどもな!)。

しかしこのマンガ、ほとんどが作者の日常におけるムカツキと困った事と愚痴とかだ。このネガティブ力も、ここまで充満すればもはや立派な元気玉である。「福満」という名前とはまったく逆の、負のエナジー。それが陰鬱にもならず、ニヤニヤクスクスと笑える作品に昇華されているのは流石。この先、彼ら夫妻に待ち受ける人生は、どんなものなのだろう。ある意味リアルタイム反映まんが道、これからも期待したい。A-