ゴーダ哲学堂　業田良家

ゴーダ哲学堂 (竹書房文庫 GY 8)
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「自虐の詩」をさらに哲学・人間・人生という点について煮詰めていけばこういう方向性になるのだなあと思う1冊。文庫版で430ページもあり、多くの短編が収録されている。さらにあとがきでも「人生に意味はあるか」という直球テーマを長く語っている。

中には藤子F作品の異色SF短編集っぽいものもあり、読み応えはかなりある。短編であるがゆえに「大河人生4コママンガ」だった『自虐の詩』ほどの物語性からくるショックや感動は少ないが、1作1作のテーマの切り取り方、えぐり方が深くて読後感は色んな感情がうねるようにわき起こる。「空気人形」が主役の短編など、なんか訳もなくおもしろ悲しくて、ホロリとしてしまう。全編通じて物凄い力の籠もった、読まれるべき力作。A