ルパン三世 GREEN vs RED DVD
ルパン三世 GREEN vs RED 【通常版】本編DVD+サントラCD | |
栗田貫一, 小林清志, 増山江威子, 井上真樹夫 VAP,INC(VAP)(D) 2008-04-02 売り上げランキング : 20283 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
“緑ジャケット”と“赤ジャケット”の新旧シリーズのルパンが激突する、ルパン三世誕生40周年記念作品として制作されたOVA。民間の軍事組織が持つお宝を狙って、緑ジャケットのルパンと赤ジャケットのルパンが激突する。
ルパンとはなんぞや? というテーゼを掲げた作品。かなり挑戦的である。絵の格好良さに脚本やセリフが追いついていないというのが最も残念な点だった。テーマは良い、題材も良い、作画も良い、音楽も良い、しかしスジがいまいち。ただ「ルパン三世というキャラクター」でしかなしえない題材なのでなんとか作品になったかなというところ。色々惜しいんだよなあ。ヒーローもしくはダークヒーローとしてのルパンを描くには、彼らの老後か偽物かを描くくらいしかもう題材は残っていないような気もするところ、本作が選んだのは「偽物」だった。しかしファンにとっては緑も赤もどっちも「ルパン三世」なわけで、別の第三者が「ルパンになる」ということを受け止めるには少々感情的にしっくりこないものもある。緑ルパンの名前がヤスオっていうのも非常に挑戦的であるが、果たして結果はどうだろう。
冒頭の「色んなルパン」を多数出したカットはめちゃくちゃカッコ良かった。過去の作品がちょこっと顔を出す演出も良かった。スジがなあ。あとキャラクター設定も微妙に違和感があって、銭形警部が原爆症であるとか(行動はカッコ良かったのだけど)、次元の行動が妙に軽いとか、五右衛門と不二子も端役的な扱いだとか、OVAなのにろくな見せ場もなく勿体ない。ルパンとは何か? という問いと、最後に示されたそれへの回答。脚本だけが惜しく残念な作品であった。意気込みは買うし、脚本以外が良かっただけに本当に惜しいのだ。B