サマーウォーズ 監督 細田守 出演者 神木隆之介 桜庭ななみ 富司純子  ほか

映画「サマーウォーズ」公式サイト

期待値高めで観にいったけど、それを余裕で上回る面白さだった! 正直言って6,7回ほど目頭が熱くなってブワワってなったよ。ブワワ回数はポニョ、時かけを超えたよ。

サマーウォーズ - Wikipedia
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界、OZ(オズ)。そのメンテナンスのアルバイトをしている高校生の健二は、憧れの夏希先輩から田舎に行くというアルバイトを頼まれる。気楽に応じた健二だったが、実は夏希の本家とは武家の血筋を受け継ぐ旧家、陣内家であり、曾祖母である烈女・栄のために夏希のフィアンセのふりをするというアルバイトだったのだ。さいわい栄は健二を認め、芝居は平穏のうちに終わるかに見えたが、その夜健二はケータイに届いた謎の数式を、数学の問題と考えて解いてしまう。しかしそれは、OZ世界を崩壊させ地上を混乱させる大事件の幕開けだった。

ネット世界の描き方、ネット接続ツール、デバイスの描き方が非常に現代的。携帯電話やインターネットがウェブ上のコミュニティ構築、ユビキタス社会の方向に進化していくと、こういう風になるかもしれないなという一つのありうる形を描いていた。ネットコミュニティ「OZ」は象徴となるキャラクターの名前がジョンとヨーコ。そんなOZを舞台に悪さするAIを仕掛けたのがアメリ国防省ってのは、うーんちょっとだけオトナ的な演出というか設定というか。

一方でもう一つの舞台となる、長野県上田市、とても日本的。古き良き日本的、といった感じがする。大きな旧家で、勝手のわからない人間にはその家は迷路のように映る。自然がいっぱい、大きく開けた家、井戸水で顔を洗う家族、蝉の声。そしてこの長野県上田市は戦国時代に徳川を相手に少数で戦った上田合戦と陣内家を結びつけるものであり、ストーリーの核心部分の一つでもある。歴史好きもニヤニヤである。

現実世界とOZ世界、2つの世界を行きつ戻りつ物語は進む。脇役の甲子園出場を賭けた、地区大会の試合とともに進行するストーリー。「数学オリンピックの日本代表になり損ねた」くらいに数学が得意なケンジは、陣内家にとっては「異邦者」である。異邦者はどう受け入れられるのかが一つの見所。

そして何と言っても、陣内家の当主である、90歳になる栄さんがめちゃくちゃ格好いいんだ。この格好良さは、ちょっとほかにない。若者の単純な熱さでもない、男の蛮勇でもない、長い人生をしっかりと生きてきた女性の格好良さだ。先祖代々の家を守って、郷土を愛し、誇りに思っている女性の心意気。○○に○○して、皆を大いに○○させるシーンは本当にブワワっときた。大家族の長として、めちゃくちゃいかすわあ。皆で協力すれば何とかなるんだっていう意志の力、そういうことをグワっと力強く、こういう婆さんに言われるとそれはもう立ち上がるしかないでしょうと。

大家族の協力シーンはこれまたブワワっとなる。己の為すべき事を為すというシンプルながら見応えのあるシーンの連続で、物語後半は手に汗握る緊迫しまくった展開に。終盤に数回大きな山場があるっていうのは、サービス精神たっぷりでウレシイ。伏線の回収も概ね着実であった。最後ちょっとなんでやねん、と思うような、とってつけたようなおまけがあったんだけども。それと同行者が感想として言ってたんだけど、女性/男性の役割分担が古い価値観に則って行われすぎていると。これについては、「田舎の旧家で御婿さんの代役バイト」ってな入り方なんだから、設定する価値観としてはそういうもんじゃないのかなと思った(しかし家長は女性である栄さんだし、ヒロインのナツキも終盤に重要な役割を果たす事になるので、そのあたりで相殺と評価したい)。

夏の映画を観たなあ〜、良かったなあ〜という気持ち。僕は夕方〜夜の上映を観たんだけど、真夏の暑い昼下がりに観て、夕方見終えるのが一番いい鑑賞方法かもしれない。

ポニョやあるいはこういう作品をしっかり観て感動すると、やっぱりアニメは面白いなあ、いいなあと思う。時かけサマーウォーズ細田ブランドも結構いい感じに出来てきた雰囲気も感じつつある今日この頃だ。デジモン映画も観たくなってきたよ。

A

さあ、この夏はあとはヱヴァだなあ。G.Iジョーとかトランスフォーマーも、わりと僕好みの臭いはするけど。

サマーウォーズ オリジナル・サウンドトラック
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