覚悟のススメ 全11巻(単行本) 山口貴由

覚悟のススメ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
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秋田書店 1994-06
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覚悟のススメ - Wikipediaより
核戦争と環境汚染によって荒廃した近未来の東京を舞台に、旧日本軍で編み出された最強の格闘技「零式防衛術」、そして人体実験の犠牲となった英霊の宿る意思を持つ鎧である強化外骨格「零」を武器に人々を守る為に戦う主人公「葉隠覚悟」と、人類を襲う怪物「戦術鬼」、そしてその背後で人類を滅亡させんと企む覚悟の兄「現人鬼・散」との戦いを描く。

凄いマンガであった。山口作品独特の味わいがしっかりあるなあ。この絵この味この描写はこの人ならでは。絵がうまいかどうかはちょっとわからないけど、絵に物凄いパワーを感じる。読む者を圧倒する絵っていうのはやっぱり凄いと思うし、ある種の唯一無二の領域にいるので絶対ファンがつく絵だなあ。この絵で何か描かれると、異様に説得力、いや納得力がある! この絵にあの情念たっぷりのセリフが付くことによって山口ワールドが出来ている。名言というか、名台詞も多々あるのがこの作品の特徴だけど、それにしても全11巻でどれだけインパクトのあるセリフが出てくることか。覚悟のススメに関連する名言サイトも多く見つかるし、人の心にどこか響く言葉が多いんだろうな。

メインの登場人物の名前も、大変特徴的。主人公・葉隠覚悟にその兄・散(はらら)、ヒロインが堀江罪子。他の敵も変わった名前が多い(人間側の脇役らは、さほど変わった名前ではない)。

痛快娯楽作品であると同時に、作者の「俺はこういう生き方、生き様は素晴らしいと思う!」というメッセージが強く熱く込められた作品。とにかく力強い。頼もしい。力というものは、持つ人に正しさがあれば、守りたい人を守る事ができる要素なんだよなと確認する物語だった。A-