ナチュン　1，2，3，4，5巻　都留泰作

ナチュン 1 (アフタヌーンKC)
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作者はなんと、文化人類学者。
都留泰作 - Wikipedia

こういう畑出身の漫画家というのは珍しいと思う。そして作者のフィールドワーク経験がふんだんにいかされているようで、であるがゆえに他のマンガとは一線を画す発想と展開になっている。人工知能、世界征服、沖縄、謎の美少女、深海、奴隷、脳研究、ヤクザ、ハッキング、漁業、宗教、政治闘争、恋愛なととキーワードを書くだけでもかなり混沌としている。人工知能の秘密に直感的に気がついた主人公が、己の野望のために沖縄に行って現地でフィールドワーク生活をはじめるが……という出だしで、現地で出会った女の子と仲良くなるラブコメ展開かなーと思いきや、想像を絶するSF展開でぶったまげた。深海で拉致されてどこかよくわからない場所に幽閉され、奴隷生活を余儀なくされる主人公。ドラクエ5かというような辛い生活の後、何とか奴隷生活から脱出する。ここの奴隷生活描写も執拗で救いがない鬱展開。主人公の野望は？　恋愛は？　どうなる人工知能、という感じで物語は進む。

絵にはうまさはあまり感じないんだけど、この陰鬱気味なストーリーにはこの絵がハマるし、湿度のあるシーンにはぴったり。