とろける鉄工所 1巻2巻 野村宗弘

とろける鉄工所 1 (イブニングKC)
とろける鉄工所 1 (イブニングKC)
講談社 2008-11-21
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鉄工所で働く人々を描いた鉄工所マンガ。こういった「この作者にしか描けないような世界」をうまく構築している作品は良いなと思う。色んな業界ものっていうのは取材でも描く事が出来るしそういった名作も多々あるけども、このマンガは方言や労働環境のリアリティもかなり濃厚で面白い。一歩間違えれば死ぬような事故や労災に繋がる事件もあっさりとコミカルに描いてる部分もあり、このあたりもなかなか油断ならねえ!


暑くて大変で作業着の洗濯がしんどい鉄工所、ときにほろっと、ときにワハハとできる作品。主人公、北さんを中心とした「のろ鉄工所」で起る様々な鉄工所的事件をコミカルに描く、1話完結型の物語。男性陣のキャラクターの味わいもいいけど、北さんの妻や小島さんの娘さんのかわいさは特筆に値すると言える(笑)


1巻ではまず鉄工所というのはこういうところで、こういうメンバーがこういう事を日々仕事としてやってますよっていう紹介エピソードの集積で興味深い。続く2巻では、出てくるキャラクターの個々の掘り下げが進んでいる。方向性としては無難に安定するなあと思うけど、もっと濃い「鉄工所あるある」を展開してもよかったかなと。「ウエス」の話で一本やるっていうのは凄い面白い。「今井班」なんていうのも出てきて「班! そういうのもあるのか!」と面白がる要素はふんだんにありまくり。


担当編集者による脚註はAmazonでかなり叩かれてるけど、まあ欄外コメントなんであまり気にならないレベルではあるけどなー僕は。じっくり読んでみると、「作品を面白くするため」にしても、さしてプラスになっているとも思えかったのは残念。B+