月館の殺人 上下巻（完結） 佐々木倫子 綾辻行人

月館の殺人 上 IKKI COMICS
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出版社 / 著者からの内容紹介
まだ見ぬ祖父に会うため、生まれて初めて鉄道に乗車する沖縄の女子高生・雁ヶ谷空海。雪の北海道を行く特別急行〈幻夜〉で、彼女を待ち受ける運命とは…？　未曾有のタッグで贈る、至極の鉄道ミステリ。

綾辻行人原作、佐々木倫子作画。昔、コミックIKKIで連載されていた作品。謎の鉄道、特別急行「幻夜」号で起こる、鉄道マニア殺人事件の数々。硬派なストーリーと軽妙な佐々木ギャグのマッチが心地よい。ミステリーというだけあって、動物のお医者さん、おたんこナースのような、あそこまでの「軽さ」は無いんだけど、それでもなおかなりの読みやすさになっているのは佐々木パワーのなせる技でありましょう。鉄オタ達のオタクっぷり、彼らのキャラクターが異彩を放っていてインパクトが大きい。主人公の薄幸少女・空海よりキャラが立っている。

下巻になってもそのミステリアスな雰囲気、緊張感はキープされており、次々とと起こる事件と、徐々に解き明かされる真相と謎。ぎりぎりのところで主人公はなんとか救われたかな……と思う終わり方だった。上下2巻でしっかり描ききって終わるというのは良かった。

あとアマゾンのレビューで知ったんだけど、装丁の作りが「切符」を意識したものになっている！！　これは凄い工夫だと思った。丁寧に丁寧に作られた入魂の1作。鉄道×綾辻ミステリ×佐々木倫子、なかなかのものでした。B

古い作品なので、Amazon中古だと1円多数あり。

月館の殺人 (下)
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