借りぐらしのアリエッティ 宮崎駿企画・脚本

Arrietty's Song(借りぐらしのアリエッティ・主題歌)
Arrietty's Song(借りぐらしのアリエッティ・主題歌)セシル・コルベル

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ミント神戸で土曜の夜に最終回鑑賞。ビールとつまみを準備して鑑賞したのでえらいゆる酔いでふわふわいい気分でした、いやー素晴らしい。」

少しネタバレあるかもしれませんので注意。

企画・脚本が宮崎駿ということで、ぶっとんだ展開になっていくのかと思いきや、ほぼ家の敷地内で完結するという展開でややこじんまりとした作品になっている感あり。まあ、小さい人=アリエッティにすれば、大きな邸宅の敷地内というだけでも大冒険なのはよくわかるんですが。

家政婦ハツを演じる樹木希林のキャラクターがマッチしすぎ! しかも本編ストーリー展開上、最大の悪役キャラクターがこのハツさんなんで、なんともこじんまりとした展開であることよ、と思わざるを得ません。

・なんだかわかんないけどショウは心臓が悪いらしい
・なんだかわかんないけど心臓が悪いショウはおばあさんの家に療養に来ているらしい
・なんだかわかんないけどその家は金持ちの家で、おばあさんはベンツ乗ってるし家は豪邸
・でも金持ち→豪邸→豪華なドールハウスがある、というロジックはわかる

冒頭数十分の、ショウに見つかるまでの家の中を大冒険するシーンはさすがジブリクオリティといってイイほどの素晴らしさだった。クギの階段、まち針の剣、ゴキブリとのワンシーンなど、ディティールは本当にもう映像快楽が凄まじい。

あと大竹しのぶ演じるアリエッティの母がなんとも言えず微妙に好感が持てないキャラクターだったので、ハツに捕まってしまったときもそんなに同情できなかった……うーん。アリエッティも幾たびもの父からの忠告・警告を無視した行動をした挙句家族に迷惑かけてるし、ちょっとバカ? とか思ってしまった。ポニョとソースケくらいの年の子ならそのバカさは純粋さに置き換えて解釈できるんだけど、14才だなんだっていう年齢でそれはバカかと思ってしまった。碇シンジも14才だしね。

ポスト宮崎駿の「これからのジブリ作品」という観点でみると「とんでもなくハイクオリティな映像をふんだんに流して、随所に物凄い映像美や動きの快楽をかましながらも、ストーリー全体としては物凄いこじんまりとした展開の作品におさめる」ものが増えていくのかなぁと思ってしまった。でもこれ、原作付きで、脚本が宮崎駿なんだよなぁ……。

一番印象に残ってなんだかいいなと思ったのは演出で、小さい人の世界の液体表現が全部球形で、全て「しずく」として表現されてるところ。アリエッティの涙もしずくだし、アリエッティの家で使ってるやかんから出るお湯みたいなものも、液体がジャージャー流れるんじゃなくって「ププ……ピチョン」という感じでタメ→放出の間の演出がうまい。

あ、あと音楽は作品の雰囲気にマッチしていて良かったです。でもなんで日本の東京の邸宅に住んでる小さい人の名前が西洋名のアリエッティ(名であって姓じゃないよねしかも)? 遠い先祖が海外から移り住んできたんだろうか? あとアリエッティの髪留めが洗濯ばさみみたいなヤツだったんだけど、実物大に計測すると何を挟むのかわからんくらい小さいクリップみたいなものでアイテムとしてよくわかんなかった。ドールハウスの信じられないほどのクオリティとか、ディティールディティールの凄さで押し切った感じ。いや、ゲド戦記より良かったと思うけどね。

さて今月はなんとかトイストーリー3もぜひ観たい。おそらくこっちのほうが面白いハズ……!  B+