コクリコ坂からを観た。〜男子、カルチェラタンに燃ゆ〜
1日に映画1000円デーということもあり、勢いで鑑賞。「凄い」ということはないけど、「なかなか面白い」んじゃないの? というのが率直な感想。
昭和のあの頃の時代って、僕の世代からすると完全にファンタジーなんですよね。その点について、極論をいってしまえば、「自分自身とあの世界との距離」って、ディズニーや時代劇、ファイナルファンタジーやドラクエの世界と変わらない。
学園紛争や東京オリンピック前の建設ムードといった「その頃のリアリティ」を全く知らない人間からすると、「日本語が通じて日本文化っぽい」だけで、それそのものを実体験していない自分としては、ファンタジー感があります。もうすぐ「黒電話」や「受験戦争」なんかもファンタジーになっていくんだろうなあ。そう思うとサザエさん、なかなかのファンタジーアニメであります。
主人公の海ちゃんは、なんだろう、「成長したその後のとなりのトトロの『サツキ』」みたいな感じがしたなあ。学校でも優等生で、家の中でも率先して家事をして、秘めた想いを言い出せずに。
それにしても取り壊しの存続問題に取りざたされる舞台「カルチェラタン」シークエンスの楽しそうなこと!! ああいったコミュニティは現代日本にはもう数少ないし、絶滅途上にある。汚れた内装の「男子秘密基地」感もたまらん。絵にも異様に力入ってたところだと思います。女子が掃除しにくるところの照れや気恥ずかしさも見事な演出でした。オッサンはこのカリチュラタンのシーンだけでニヤニヤと楽しめるのではないかな。
スタジオジブリ・プロデュース「コクリコ坂から歌集」 | |
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手嶌葵の声が物語の雰囲気にベストマッチ! 予告CMの時点でかなり気になってたんですが、やはり良かった。切なく凛々しく愛おしい曲。音楽全体としても、ここしばらくのジブリ作品の中でダントツに良かったです。久石譲を起用せずに作り上げたのは、素晴らしい成果だと思います。
コクリコ坂から | |
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正直なところ、映画を観てからこのマンガの絵を見ると「ぬ、ぬぬ?」という違和感はある。「今風」の絵ではないところが一番の違和感になるが、逆に新鮮かもしれない。これ読んで、なぜ主人公がクラスメイトから「メル」と呼ばれているのかようやくわかった次第。フランス語語源かあ。